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LIFE GUARD
『ブルーライン』

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 うおおおお、楽器壊してんぞ! ミュージックビデオのためだけに楽器がバラバラになってるぞ、冒頭で地面に叩き付けられたベースがスタインバーガーみたいになってるぞ。そこまでしてるのに公開から2年半で2100回ちょっとの再生ってもったいないよなああ。と、驚きはこのくらいにして冷静に見てみよう。その叩き付けられているベース、振りかぶった時点ですでに割れている。ん?なんでだ?つまり叩き付けたから壊れたのではなく、撮影をする前から割れていたのだろう多分。楽器をちょっとでも触ったことのある人ならわかるだろう。ギターやベースがちょっと叩き付けられた程度で簡単に割れるようなことはないということだ。だからあらかじめひびを入れておかなければこんな映像を撮ることは出来ない。仕込みである。いや、ちょっと待ってくれ。だからといって彼らを非難するつもりではない。むしろよくぞやったなと僕は言いたい。以前ギター弾き語りのシンガーから「どうやったらもっとライブに来てもらえるんですかね?」と質問された時、「何より、歌だし、演奏だ。これが良くなければ誰も来ない。でも歌と演奏が良いだけでは話題にならない。だとしたら、プラスαが必要だよ。例えば、毎回ライブでギターを破壊するというパフォーマンスをやってみたらどうだい。新大久保の中古楽器屋に行けば1本5000円くらいのアコギはたくさん売ってる。それを買ってきて裏にヒビ入れといて1発で破壊するような仕込みをしといて、演奏とともに感極まってウオオオオオとか叫びながらギター破壊する。で、ギター破壊ライブとか銘打って話題作りするというのはどうだい。客が入らないでチケットノルマを毎回1万円以上払ってしまってるんだったら、5000円の投資で話題が作れれば安いものかもしれんよ」とアドバイスしたことがある。そのシンガーはなるほどなるほどと言いながら、どういうわけかその日のライブで自分のギター(ギブソンの50万円くらいするやつ)をライブ最後でステージに叩きつけてしまった。激しく後悔したらしく、その後ギター破壊パフォーマンスは結局やろうとしなかった。話を戻すが、ミュージシャンにとって楽器とは身体の一部、魂のようなもので、それを壊すとかいうのは話題作り云々というレベルとは違う次元の高いハードルがあるらしい。それを画のために越そうとしている。その覚悟だけで、僕は評価したい。まあ、せめて叩き付ける前に割れてしまったのであればもう一度テープかなにかで補修して、撮り直しをして欲しかったなあという点はあるにせよ。あ、曲についてまったく触れてなかったですね。僕はこのハスキーな声とパンキッシュな内容でありつつもメロディアスでHRのテイストを持ったこの曲、好きです。みなさんはどうですか?

(※2018.1.19に動画が削除されていることを確認しました。レビュー文面のみ残しておきます)
(2016.4.25) (レビュアー:大島栄二)
 


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