Boys Noize『Starchild』 Next Plus SongLILI LIMIT『Festa』

phonon
『ゼロと白』

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 今の邦楽ロック、という気がする。邦楽ロックなんて大雑把な言い方が通用するほど単純な様相ではもちろんなくて、多種多様、あらゆるジャンルが同時に音を鳴らしているのが2010年代半ばの日本音楽シーンではあるが、そういう中から最大公約数的な、抽出されたエッセンスのような共通解があるのだとしたら、きっとこういう音楽だろうという気が、気がするのだ。だから、共通解を象徴しない他の「邦楽ロック」とその周辺からは嫉妬も込めて揶揄される。さらには、今の邦楽ロックなどと言われることを自らも、彼ら自身が拒もうとするだろう。自分たちこそワンアンドオンリーの、新しい何かを生み出しているものなのだと。もちろんそれで良くて、共通解など探そうと僕自信しているわけではなくて、でも、たくさんの音楽を聴いていると、きっとここに落ち着くのだろうという、漠たる印象が頭をもたげるのだ。彼らのサウンドは上質なメロディに貫かれているために個々の音があまり目立ってはこないのだが、手の速さ、鳴らされる音の細かさ、さらにはドラマーのアクション込みで叩いている姿などから、ハードロックバンド、メタルバンド的な資質があるように感じられて興味深い。数年前の楽曲を遡って聴いていると、そういう音的な特徴は顕著で、メロディや歌っている言葉の刺の部分などにも荒々しさが感じられる。良くいえば個性的で、悪くいえば独善的。それから較べるとざらついた刺は丸められているし、それが物足りないと感じる人も少なくないだろうし、それが理由で離れていった初期のファンもいるだろうと思われる。だが、丸められる過程で手にしたものは、普遍性そのものであり、それが共通解と僕が感じる理由でもあるだろう。それはけっして刺を抜かれたということではなく、より洗練され、しなやかになっていくということで、端的に言えばバンドとしての進化だと思う。結成したばかりのバンドがここに直接辿り着けるわけもなく、だからこそ、彼らはしたたかな存在だなあといえるのではないだろうか。
(2016.6.9) (レビュアー:大島栄二)
 


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