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中村あゆみ
『翼の折れたエンジェル』

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 つい先日古いCDの整理をしていて、白井貴子のアルバムが出てきたので再生してみたのだけれど、これがまったくロックではなかった。何でなんだろうか当時はロックねえちゃんとして5本の指に入るほどのポジションではなかったか、なのに何故このロックっぽさの無さ。アレンジがロックじゃない、というか歌謡曲で、そこでいくら熱量を伴った歌い方をされても、ロックと認めるのはやはり無理だった。では何であの当時あれをロックと思っていたのか、今となっては想像するしか術は無いのだが、メディアがそれをロックとカテゴライズして紹介していたからなのだろう、と思う。表現の過激さやパフォーマンスの派手さは時としてそれをロックだと思い込むカギになるものの、過激さ派手さは時間の経過とともにそれに慣れるし、更なる過激さが登場すれば地味で平凡な表現に成り下がる。ロックで有るか無いのかはそういう派手さとは無関係のところで決まるのだと思うが、じゃあそれが何なのかと問われれば、明確な答えをすぐに返すことは出来ない。中村あゆみも当時ロックねえちゃんの1人として一斉を風靡したが、彼女は本物のロックシンガーだったのか。もちろんそれに明確にYES/NOを答えることは難しいのだが、この曲は今聴いても心にグッと響いてくる。今も時々テレビでその姿を見ることがあるが、何かのレポーターや文化人として登場するのではなく、シンガーとして登場する。例えそれがこの曲を懐メロとして歌わされているのだとしても、歌う人が歌う人として今も存在しているのを見ると、なんとなく嬉しくなってくるものだ。
(2016.6.25) (レビュアー:大島栄二)
 


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