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『水面の果て』

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 海に浮かぶようなシチュエーションでビデオが始まる。こういうのを見ると「機材錆びないかな大丈夫かな」とついつい思ってしまう。製作する人たちもとうぜん思っただろう。ドラムとかすべてのスタンドはもちろんキックも全滅だろうなあ、だって水に沈んでるもの。ただ、この遠浅の海で本当にそこまでの状況を考えて撮影に挑んだのだろうかともちょっと思う。というのはビデオ冒頭では海に足元が沈んでいる状態だけれども、中ほどではまだ砂浜の上だから。演奏シーンの撮影では同じ状態で何度も演奏して、それを後でつなぐというのが普通なのでそれをやっている間に水がどんどん満ちてきて、あああああ、ドラムが水に沈んじゃうよおという、一種のあきらめのような、成り行きビデオ撮影だったのかなとか、想像が膨らむ。ただ、この背景をみると電柱が並んでいる場所と、そうではない場所とで撮影されているので、1ヶ所で水没してもまた別の場所に移動してやっているわけで、そういう意味では意図的に、ドラムの1個くらい犠牲にしてもいいやという覚悟で撮影に臨んでいるのかもしれない。だとしたら太っ腹だなあ。曲のタイトルは「水面の果て」で、そのタイトルをイメージしたビデオということなのだろう。だとしたらその曲のタイトルはこのビデオで浸透しただろうか。だとしたらいいですね。曲は、イントロAメロ2回Bメロ2回サビみたいな伝統的である意味まだるっこしい展開を排して、Aメロ1回→サビという、たたみかけるという以上のスピード感で迫ってくる。聴く側にもそんなに待っていられるような余裕の無さを考慮したかのような、まるで全編サビのような構成で興味深い。
(2016.7.26) (レビュアー:大島栄二)
 


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