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SUPERCAR
『DRIVE』

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 春前から自動車教習所に通っている。高齢者の免許証返納の話題も喧しいが、別の理由でペーパードライバー講習も人気で、自身も早くに免許を取りながら、車が合わず乗らなかったのでそれになる。諸事象で車に乗ることになり、或る程度は慣れてくると、車窓からの描景がまるで変わったのに気付く。ここは書店だったな、ここは食堂だったな、後ろから自転車が来ているけど電動だから気を付けないとな、みたく。時間の流れがドライヴのときは変わる。緊張もあるのだろうけど、やはり向かないのだろうなと思いながら。

 “ドライヴ”といえば、世代的にこの曲になってしまう。
 『スリーアウトチェンジ』の中のフルカワミキのボーカル曲。スーパーカーに憧れたことも、左ハンドルに焦がれたこともこれまでないのだけれど、なんとなく暗雲立ち込めた空でも彼らの音楽がつねに青い時代に寄り添ってくれた。もうスーパーカーも知らない世代も居れば、スーパーカーのライヴを観た世代もいい歳になっているだろうし、何かと問題や事情を抱えていると思う。でも、まだまだ道は続く。続いた道の先で彼らのことを知り、オマージュを捧げるバンドやアーティスト、または新たなファンも沢山いる。知らないことは決して罪じゃない。今、知っていることを大切にしないと見逃してしまう事の方が悲しい。音楽はそういうときの記憶のアイドリングをしてくれる。彼らのライヴは決して華やかで技巧的でなかった訳でなく、作品ごとにエレクトロニクス要素も増えていき、じわじわ変わっていったけれども、たたずまいは不思議とずっと車内のバックミラーで流れてゆく景色を見ているように変わらない。そういう音楽は誰にもある筈だと思う、タイムレスに。それを世代間で貶める権利は誰にもないと思う。

   いつの日か あなたは強い心で
   本当の笑顔を 見つけるはずよ。
(2017.4.8) (レビュアー:松浦 達(まつうら さとる))
 


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