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『ヨルノセイ』

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 こういうのを疾走感ある曲だというんじゃないかなあと思いながら聴いている。曲のテンポを上げてBPM競争みたいなのをするとかいうのはたしかに物理的に速くなるし、そういうので踊れるぜという人も多いんだろうけれども、そういうので精神は疾走しない。途中のフレーズで「夜がくる、くるぞー!」という歌詞が絶叫されるのだが、そこがイイ。夜が来ることを否定せず、むしろ夜が来るワクワク感。夜のことを良いものとして認めているわけでもないようで、「あぁ、夜だ、夜の所為だ 全部お前の所為だ」と歌う。すべてのうまくいかないことを夜の所為だと断定する。その夜が来ることを予感して、その先にある朝を期待する。なのに夜のことを全否定する雰囲気は微塵も見られず、夜に突入する今を愛しているようにさえ感じられる。止まるということを知らないスピードがここにはある。ちょっとメトロノームを速く動かしただけの音楽には到達することが出来ないような疾走感がここにある。こういう音楽こそ、聴いて精神を鍛えるのに有用な、強さがあると思うのだ。
(2017.5.19) (レビュアー:大島栄二)
 


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