YUMEGIWA GIRL FRIEND『ギターロック』 Next Plus SongThe Lost Club『The Hole』

エイリアンズ
『夕陽ヶ丘ミステリー』

LINEで送る
 活きの良いスカバンドいるなあと思って聴いていたら、ムラマサ☆の人たちを中心に結成したバンドでした。ムラマサ☆が活躍していた頃の音楽シーンにはスカバンドもたくさんいて、粒がそろっていて、その中でもムラマサ☆はスカ要素で特化していくのではなく、ポップなメロディを重視したような曲が多くて、音楽マニアでなくともスーッと好きになりやすいバンドだった。そのボーカルのユミの歌がまた聴けるこのエイリアンズは、ムラマサ☆のテイストを残しつつもよりポップ色が強まったようで、あの頃を懐かしく思い出させつつも、それとは違った「今」を感じさせてくれる。バンドには始まりがあれば終わりもあって、解散とともに音楽から離れてしまっては本当にそこで終わりだけれども、また復活したり、再生したりしていく過程を見るのも、ひとつの人生ストーリーのようで興味深い。昔の懐かしのビッグネームが再結成して、まるで同窓会でも開催するように1シーズンだけの活動を駆け抜けることはよくあって、その同窓会に参加するようにかつてのファンが終結したりして、それはノスタルジーの快感でもあるし、ビジネスとしても有効なので否定するつもりはないけど、やはりそこに「今」は存在しない。そういう視点で考えた時に、このエイリアンズがかつてのテイストを若干残しつつも、別の名前で「今」を鳴らしている姿が、とても素敵なことだと僕の眼には映る。それはかつてのムラマサ☆を知らない若いファンが「今」の音楽を楽しむのはもちろん、かつてのハイティーンが30代となり、過去のフィルターを通じて「今」に辿り着くための抜道にもなり得るという点で、まったく新規のバンドとも、リバイバルな過去のビッグネームバンドとも違う、意味深い立ち位置にあるように感じる。
(2017.5.27) (レビュアー:大島栄二)
 


  ARTIST INFOMATION →
             
 


 
 このレビューは、公開されている音源や映像を当サイトが独自に視聴し作成しているものです。アーチストの確認を受けているものではありませんので、予めご了承ください。万一アーチスト本人がご覧になり、表現などについて問題があると思われる場合は、当サイトインフォメーション宛てにメールをいただければ、修正及び削除など対応いたします。