Fever Ray
『To The Moon And Back』

　アルバムジャケットが怖くて怖くてたまらない。この恐怖を共感してもらえるかはわからないが、どうか検索して実際にご覧いただきたい。一応軽く説明しておくと、アップの女性（本人）の顔、その一面にひび割れた線が描かれている。よく見ると「Fever Ray」と読める。読めるけど、生理的に怖い。見事に鳥肌が立ってしまう。これはいやがらせなのだろうか。説明をするために見直して、案の定、ぎょっとした。何かしらの罠かと思った。そんな思いをしながらも取り上げたいのは、もちろん内容がすばらしいからだ（これで音楽自体がひどかったら、誰が扱うというのか）。MVもまた薄気味悪いのだが、個性際立つ、彩り豊かなエレクトロミュージックが気持ちいい。やっぱり音楽は気持ちよくてなんぼだ。マイナス（生理的反応）からプラス（気持ちいい）へ。そんな振り幅を感じるべく、もう一度ジャケットを見てみるか……私は今、猛烈に後悔している。後悔しつつ、曲は最高。

(2017.12.13) (レビュアー：夜鍋太郎)

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Fever Ray 『To The Moon And Back』

Fever Ray
『To The Moon And Back』