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坂口恭平
『休みの日』

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 「徘徊タクシー」などの著作や、SNSでの目立った発言で知られる坂口恭平が、気がついたら歌を歌っていた。聴いてみた。なんてことは無い普通の歌だ。でもそのなんてこと無い普通の歌が意外にもとても新鮮に聴こえてきた。今人前で歌を歌う人がこんなにも普通の歌を普通に歌うということがあるだろうか。これは本来ミュージシャンでもない人が歌うからそうなるのかもしれない。そんな普通の歌は、世の中に流通してはいけないという決まりでもあるのだろうか。坂口恭平は既にそこそこ知名度もあり、熱心なファンも少なからずいるので小規模ながらビジネスにもなるし、だからこういう音楽がきちんと録音されて、公開され、話題にもなり、そこそこ多くの人が聴いたりする。では知名度がないミュージシャンが普通の歌を普通に歌ったらいけないのだろうか。そんなことはない。いけないなんて訳がない。でも、知名度がないからなかなか聴かれないし、聴かれてもあまり評価されない。はっきりと言おう。この曲はいい。グッとくる。普通の歌だけどグッとくる。そう、普通の歌の中にもグッとくる歌はたくさんあるのだ。問題は聴く人がそれを感じ取れるのかということで、もし多くの人が無名の音楽を正当に評価していけるのであれば、無名の音楽ももっともっとチャンスを得ることができるんじゃないだろうかと。
 そんなことを休みの土曜日に思ったりしています。一昨年の暮れにmusiplでもレビューした寺尾紗穂がコーラスで参加していて、この歌をますます普通の中の普通じゃない歌に仕上げる手助けをしているようにも感じました。
(2018.2.3) (レビュアー:大島栄二)
 


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