Fontaines D.C.『A Hero’s Death』【どこか耳なじみのあるパーツを集めて昇華させたこの感じ】
アイルランド出身のポストパンクバンド、Fontaines D.C.がこの夏、2作目をリリースした。私はその傑作に心奪われている! バンド名の「DC」部分は、Dublin Cityの略らしい。ならば、さしずめ、私は夜鍋太郎T.C.となる ...
Dear Chambers『ワンラスト・ラヴァー』【ちょっとモヤモヤな内容をスキッとカラッと聴かせてくれるバンドの力量】
スッキリとした音だ。イントロというか曲頭をドラムのフレーズから始まるわけだが、ひとつひとつの音の抜けがイイ。そのドラムに重なって入ってくるギターもベースもひとつひとつが驚くほどクッキリとしてて心地いい。3ピースで余計な音を重ねまくって ...
Marie Louise『あの街で待ってて』【避けることのできない矛盾のようなもの】
出だしのギターでまずガツンとくる。これは良いに違いないと真っ先に思わせてくれる。ロックなギターって、そういうの大事だ。大事なんだけれどそんなに滅多に出会えるものじゃなくて、たいていはそこに色目というか、オレってカッコいいだろう的な自己 ...
松田聖子『風に向かう一輪の花』【間違いなく大御所なんだけれど、それ以上にまだまだ「聖子ちゃん」というオーラの方が強い】
先日NHKで放送した松田聖子特番を見た。松田聖子。今年がデビュー40周年の、圧倒的な国民的スターだ。彼女と同時期にデビューしたアイドルたちも彼女と競うくらいの人気を誇っていた人たちもいたけれど、みんな消えた。今も芸能界で活躍している人 ...
s-o-a『正しい生活』【最大公約の正しい生活と、少しだけ異質な楽しげな生活】
正しい生活ってなんだろうか。最近読んだ小説では「正しさ」を強く求める母親のプレッシャーが主人公2人をそれぞれに追いつめた。人が人として生きていく上で、正しい生き方ができればいいなとみんな思っているのだけれど、その「正しい生き方」という ...
シナリオアート『スターサイドシンドローム』【焦燥感をリズムで表現していて素晴らしい】
カラフルで切ない。曲のイントロから始まっているドラムのフレーズが心を掻き立てる。ある意味マーチのような、行進曲が始まるような雰囲気を持ったリズム。他の楽器も確かに存在しているのだけれど、主メロをささえて増幅させるようなフレーズを一切排 ...
Myd『Together We Stand』【この軽さとゴージャス感にうっとりさせられる】
「フレンチエレクトロ」。さらにその代表的なテクノレーベル、「Ed Banger」。これらのなつかしい名前に、未だに胸がときめく音楽好きも多いはず。Justice、SebastiAn(どちらも以前レビューで扱った)はもちろん、Mr.Oi ...
AMARI『リアリティ』【全体をポジティブマインドな歌に転生させることに成功している】
好き♬。このハッチャケぶりがステキ。歌唱力があるというわけでもないし、曲の全編を通じて、もっと声出ないかなあというフラストレーションが溜まりそうになる。でも、溜まらないのだ。この地声でとりあえず歌ってるよって感じが、ベテランの人とかト ...
TAMTAM『Summer Ghost』【暑かっただけの夏は暑かっただけじゃないんだよ】
気怠さが心地良い。夏の暑い日がすっかり過ぎ去って、汗をかくこともなく戸外を歩くことができるようになったというのに、なんだろうかこの夏の終わりというもの哀しさは。
TAMTAMの、この曲はなんと規定すればいいのだろう。レゲエ ...
冨田ラボ『アタタカイ雨 feat. 田中拡邦(MAMALAID RAG)』【過去を想い起こしている時の現実と妄想の狭間にある曖昧な感情】
このところ急に朝が涼しくなってきた。日中は相変わらず30度を超えてたりするけれど、涼やかな朝を迎えると、ああ、季節は変わるんだなと実感できてうれしくなる。
秋といえば紅葉が真っ先に頭に浮かぶが、京都の紅葉は11月半ばから。 ...