LiSA『炎』【拡がる、というのはこういうことを言うのだ】
この人のことを最初に見た(のを覚えてる)のは昨年末の紅白歌合戦で、ああ、アニソンの人なんだろうなという、その程度の認識だった。アニソンに限らずロックもアイドルも歌謡曲も、全国民に浸透するような広がりを持つ曲というのはもはや存在し得ない ...
竹内アンナ『RIDE ON WEEKEND』【竹内アンナは、なんとも言えずなんかイイ!のだ】
最後には、感じのいいものが勝つ。そういう時代をつくるために力を貸してほしい。ビッグデータから最適なものが導き出される。東大入試を通る程度の知能を道具として、ポケットに入れ持ち歩く世界はもうすぐ。お互いが損しないよう、得するようにAIが ...
LUCKY TAPES『ランドリー』【無機質に回転し続けながらも、良い方向に向かっているのだという希望】
コインランドリー動画というカテゴリーはあると思う。musiplでもいくつかコインランドリーで撮影されたMVを紹介している(Response『magic music』、マカロニえんぴつ『洗濯機と君とラヂオ』、初恋の嵐『真夏の夜の事』等、 ...
Gorillaz『Strange Timez ft. Robert Smith』【ロバスミ先生宇宙へ行く、というサブタイトルをつけたいほどだ】
多様なアーティストとフィーチャリングするSong Machineシリーズ。アルバムも発売したばかりだが、私的にうれしかったのは、The Cureのロバスミ先生(あえて、この呼び名でいかせてほしい)とのコラボだ。まずMVがやばい。月へ向 ...
THE SUMMER ENDS『小夜』【ナチュラルな感じで、それで声の揺れがあってとても良い】
ボーカルの声がめっちゃ良い。個人的な好みかもしれんが、めっちゃ良い。要所要所で差し挟まってくる短いファルセットや、ファルセットにもならない部分での声の揺れがめっちゃ良い。ファルセットが魅力的なボーカルは音域高めに設定された曲を歌うこと ...
グッナイ小形『東京行こうよ』【目標を持っているかのように見せることのできるマジックワード】
朴訥とした人の朴訥とした歌。「東京行こうよ」なので、おそらく地方のどこかに暮らす青年の述懐のようなものなのだろう。歌の中に現れる唯一のベクトルが「東京行こうよ」なのだが、じゃあ主人公が本当に東京に行きたいのか、東京に具体的ななにかを見 ...
METAFIVE『環境と心理』【わかりやすいことは是でもなく、曖昧に、心理は揺り動かされる】
例えば、ソーシャルディスタンスと名所旧跡への冥旅。オーウェル『1984』化が極まる瀬にてのディストピアと牧歌性。相入れないようで、近場のホテルや旅館に泊まる行為も増えて、生活様式が新しくなるとかではなく、マスクやワクチンといった記号論 ...
オレモリカエル『パイオニア』【予想もしないようなハッピーな何かと連鎖していくかもという期待感】
2009年結成の彼らのデモを2009年に聴いて、何度かやり取りをして。でもその時には活動がどういう方向で進んでいくのか全然見えない様子で、一枚岩で前に進むとかではまったくなくて、いつのまにか話も立ち消えとなっていった。普通ならそういう ...
どついたるねん『生きてれば』【あっけらかんとした無軌道で無思想な繰り返しによって、救われる命はきっとあるのだろう】
生きてれば良いことある、というフレーズがこれでもかと繰り返される。その歌い方はけっして熱唱というものではないし、ふざけてるよなといいたくなる程でもあって、とても軽くて拍子抜けしそうだ。でも、どうだろう。この力強さ。軽ければ軽いほど、そ ...
Groove Armada『Get Out On The Dancefloor』【ムーディーでセクシーな大人のダンスミュージック】
10年ぶりのオリジナル(スタジオ)アルバムがリリースされたばかりのGroove Armada。彼らは2000年前後から、UKダンスシーンを牽引してきた。特にファンク色が強い、4作目の「Lovebox」は個人的にも大好きなアルバムだった ...