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THE NOVEMBERS『今日も生きたね』

やわらかいメロディに描かれる言葉は実にアイロニカルな日常の光景。善とか悪とかの判定を排除したかのような歌詞が伝えようとしているのは、声高に叫ばれる正義へのアンチテーゼなのか。それともそういう深読みしようとする僕の意識をもあざ笑うような、峻厳な現実の素直な肯定なのだろうか。それでも勝手に深読みを試みる(たとえ見当違いになったとしても)のが、公になった言葉を前にしたリスナーの自然な行為。僕は、僕個人は勝手に、この歌に平安を見た。人は自分が死ぬことによって無になることが怖くて怖くてたまらなくて、だから宗教を創り出したという文章を読んだことがある。宗教の意義はともかく、自分が無くなることへの恐怖は、それが現実的に迫ってきた時にかならず起こる感情だろう。だが、人生の意味すらも最初から無いのだと割り切ってしまえば、恐怖に苛まれることもなくなるはず。それが幸せなのかどうかはまた別として、動きを止めた平安がそこには生まれるのではないだろうか。THE NOVEMBERSのことはこの曲を聴くまで名前しか知らないに等しかったが、もっと聴いてみようと思った。単純な好きとはちょっと違う、大いなる興味が生まれた。

(2014.10.20) (レビュアー:大島栄二)


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review, THE NOVEMBERS, 大島栄二

Posted by musipl