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Sentimental boys『グッドバイ』【別れをどちらが切り出すか、ではなくて】

いつの時代も別れは表現の大きなテーマ。人の心が揺さぶられるからだろう。その名もズバリ「グッドバイ」というこの曲で、男の声のボーカルが別れの歌を歌う。画面には自転車を漕ぐ若い女性。「足早に荷物をまとめてこの街にもサヨナラを告げた」といい、バスで移動していることに触れ、「できれば君の涙は見たくなかった」と歌う男。自転車を漕ぐ女性は出ていってしまった男を追っているのだろうかと想像してしまう。だが、よく見るとこの女性の口は歌を歌っている。自転車を漕いでいるときは小さくしか写らないのであまり気がつかないが、ほとんど終わる頃に自転車を乗り捨て、カメラに迫るように近づき、歌っていることが明白になる。別れを告げているのは、男なのか、それとも女なのか。最後のシーンで海を眺める女性。このあたりで、グッドバイを言っているのはどちらなのかが錯綜して判らなくなってくる。そうして僕は思うのだ。グッドバイはどちらかが言い出すものだが、結果的にどちらかだけが一方的に別れるのではなく、両方が均等に同じ距離だけ離れていくわけで、だったらどちらが切り出したのかということは結果としてあまり意味は無いのではないかと。別れを切り出したであろう男の言葉に未練が染み付いていて、別れを切り出されたであろう女の目に涙が見えないというのも、そんなことを想わせるに十分な表現である。曲の途中、サビの部分でやけに前向きなメジャーコード的なメロディが流れているところも、男にありがちな強がりを思わせて、興味深いし、心に残る。

(2017.1.24) (レビュアー:大島栄二)


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review, 大島栄二

Posted by musipl