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andymori『CITY LIGHTS』【テンポが速くなっていくロックバンドでありながらもポップの良さを兼ね備えていた】

CITY LIGHTSと聞いてチャップリンを思いつく人は今どのくらいいるのだろうか。50を超える僕ですら1931年公開のその映画をリアルタイムには観ていない、当たり前だが。それでも少年の頃の名画座ではチャップリン映画は時折上映されていたし、今みたいに映像が溢れていない時代にはある意味マストな映画だったといえるだろう。この動画でもメンバーがチャップリンに扮して登場する。映画にこめられた含意がどうとかこうとかというのはともかく、名画であることは間違いないし、チャップリンなんて知らないという人だって観れば普通に感銘を受けるんじゃないだろうか。どうなんだろう。

さて、最近このCITY LIGHTSという名前の曲がよく目に付く。僕だけなんだろうか? 最近個人的ヘビロテの土岐麻子の新譜「PINK」のオープニングもCITY LIGHTSで、でもそこにはチャップリンからのどうのこうのという影はあまり感じられない。CITY LIGHTSは街の灯ではなくてCITY LIGHTSとして存在しているのだろう。2017年においてずーっとチャップリンの影をみんなが引きずる必要なんて無いし、今には今現在の音楽が、文化が、哲学が生まれ、存在していて何の問題もないのだ。

そうはいってもじゃあ古典はもはや用済みだと断言できるほど傲慢でもなく、だからこうして毎土曜日には過去の音楽もあえて引っ張りだしたりしているわけだが、このandymoriもいいバンドだった。どんどんテンポが速くなっていくロックバンドでありながらもポップの良さを兼ね備えていた“ポップロックバンド”だった。彼らが解散していった2014年頃から、一方でシティポップに特化したバンドが急速に増えていき、一方でロックバンドは速く速く、爆音に爆音にと加速していった。思えば彼らがその2つの流れの分岐点にさしかかったあたりで解散を決めたというのもなんとなくわからないではない。もちろん他の要素もたくさんあった(むしろ意識的にはそっちの方が大きかった)だろうが。今、彼らは初期メンバーを中心にALというバンドで活動している。どちらかといえばフォーキーともいうべき緩やかなテンポで穏やかな音楽を展開していてて、聴いていて嬉しくなるのだが、それはまた別の機会で。

(2017.1.28) (レビュアー:大島栄二)


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review, 大島栄二

Posted by musipl