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脇田もなり『IN THE CITY』【変貌する渋谷の風景と重なる、グループからソロへの転身】

2016年の秋に東京に行って一番驚いたのが、渋谷駅東南の歩道橋の上から山手線のホームが見えたことだった。東横線が東京メトロと直結し、地下化したのに伴って2階にあったホームが撤去される。そのことは知識としては知っていたものの、久しぶりに行った東京であの歩道橋から山手線のホームが実際に見えた時はけっこう衝撃だった。街は生き物であるし、再開発が著しい東京の中でも特に変貌のスピードが速い渋谷で変わっていくのは当たり前のこと。以前の建物がぶっ壊されて新しいビルが建ってしまえばまったく違った光景になるだけなのだが、しかし東横線のホームが無くなるという新しさと、その向こうに山手線が姿を現すという旧さが同居した光景が、単なる新しさとは違う、過去と未来の同居のようで衝撃を覚えたのだった。Especiaというグループを脱退して活動を再開した脇田もなりのビデオにはその変わりゆく渋谷駅の様子が映し出されていて、昨年秋にその光景を見た時の印象が思い出される。スタジオではなくロケで制作されたMVというのは、アーチストや曲を伝えるのはもちろんだが、その時代の何かを知らないうちに刻印してしまうものなのかもしれない。この曲はとてもポップでシティで、Especia時代と比べてどうなんだろうか。Especiaも非常にポップな楽曲を展開していたものの、大阪/堀江系ガールズグループという括りから、意識的に垢抜けなさをまとっていたように思うし、なにより、グループでの歌唱とソロでの歌唱は違っているわけで、そういう点から見て、ソロとして歌っている彼女と、それを支える楽曲面での仕上がりがとても丁寧だしクールだし、予想以上だったと個人的には思う。Especiaが解散を発表したこの時期に1人で飛翔しようとしているこの人のMVが、偶然にも変貌する渋谷の風景と相まってセンチメンタルな気持ちを誘う。

(2017.2.20) (レビュアー:大島栄二)


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review, 大島栄二

Posted by musipl