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マチルダにおねがい『ルーザードッグ』【負け犬ポジションをしたたかに確保して表現している、なかなかにスゴいバンド】

特にイケメンということでもないし、声の感じもけっしてイケてる感じでもないボーカルの犬居匠のアップがずっと1曲通して画面中央にあって、誰目的のビデオなんだろうと思うのは事実だけれども、何故だか目が離せないのは偽らざる本音。とても不思議だ。じゃあイケメンで声の感じがイケてればいいのかというと、そういうのはサラリと流れて「なんか良いよね」程度で終わってしまうのが普通だから、この人たちのこの「何故だか目が離せない」ということが、やっぱりミュージシャンにはとても大事な要素なんだろうと思う。どこがその大事な要素なのかはよくわからないんだけれども。しかしそれで終わってしまったのではレビューにはなりません。なので何度も何度も見て懸命にひっかかる部分を探してみました。まずは、0:55あたりの「飲み干したサイダー/喉元を通るのをずっと見ていた」という歌詞。カッコ悪いですね。でもリアリティありますね。続いて2:00あたりの「破裂しそうな感情が喉元詰まってどうしてくれるんだ」のところ。歌詞はそれだけなのに、この「どうしてくれるんだ」の後に「あうあう」と響く。情けないですね。でもリアルですね。こういったリアル感、カッコ悪い感というのがスゴく浮き彫りになっていて共感できる。そういうのが、本当の表現というものなんじゃないかなあと。誰でも自分のことはカッコいいと見栄を張りたい気持ちがあるのが普通で、しかし見栄を張りたい気持ちというのは実際はそんなにカッコよくないよ自分はという本心があるわけで。そういう心理を突いているというか、この負け犬ポジションを見事に体現しているところが、このバンドの巧みでスゴいところだと思います。意図的にそういうところを強調してて、結構したたかなバンドなのかもしれません。

(2017.2.23) (レビュアー:大島栄二)


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Posted by musipl