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TAMTAM『Summer Ghost』【暑かっただけの夏は暑かっただけじゃないんだよ】

気怠さが心地良い。夏の暑い日がすっかり過ぎ去って、汗をかくこともなく戸外を歩くことができるようになったというのに、なんだろうかこの夏の終わりというもの哀しさは。

TAMTAMの、この曲はなんと規定すればいいのだろう。レゲエなのか、ポップなのか。いやそんなジャンル分けなんてどうでもいいくらいに、この曲は心地良い。サビで繰り返される「サマーゴースト」という歌詞が、英語に慣れない日本人耳には「サマーガール」に聴こえてしまって、それが余計に夏への後ろ髪を引かれる感情を沸き立たせてくれる。もちろん正解は「サマーゴースト」なのであって、だから、サマーガールも今やゴーストとか勝手に思っちゃって、そうだよなあ、夏の思い出なんてうたかたの泡だよなあ、だから暑かっただけの夏は暑かっただけじゃないんだよなあ、なんて感情になってしまうのだ。いや、正解は「サマーゴースト」なんであって、サマーガールなんて意図は彼らには無いはずなんだけれども。

彼らのアルバムの中には『Worksong!』という曲もあって、そのMVの冒頭には今年の、昼なのに誰もいない東京の街並が写されている。ああ、この方がサマーゴーストだよなあなんて思ったりする。ゴーストタウン東京。こんな状況じゃ生きてるはずだった人まで干上がってゴーストになるよなあとか思わされる。ゴーストのようにひっそりと生きている人たちのゴーストタウン。ワークソングとかいいながら、働くことを全否定するみたいな歌詞が綴られていて面白いから聴いてみて。

YouTubeにはいろいろな設定できる機能があって、再生速度を変えることができる。この曲を0.75倍の速度に変えてみると気怠さが倍増して、夏への惜別感情がさらに高まる。普通は再生速度を落としたりすれば曲の良さが台無しになってしまうんだけれど、この曲は珍しく、これもアリかもなんて思ったりする。いや、メンバーは誰ひとりとしてそんなこと推奨したりしないだろうけど。

(2020.9.21) (レビュアー:大島栄二)


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review, 大島栄二

Posted by musipl