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松田聖子『風に向かう一輪の花』【間違いなく大御所なんだけれど、それ以上にまだまだ「聖子ちゃん」というオーラの方が強い】

先日NHKで放送した松田聖子特番を見た。松田聖子。今年がデビュー40周年の、圧倒的な国民的スターだ。彼女と同時期にデビューしたアイドルたちも彼女と競うくらいの人気を誇っていた人たちもいたけれど、みんな消えた。今も芸能界で活躍している人はいるけれど、歌い続けている人はもう彼女しかいない。松田聖子がデビューする年に引退した山口百恵も巨星であることは間違いないけれど、引退によって歌うのをやめた。その1点で、松田聖子は未踏の道を切り拓いているのだと思う。

歌い続けたスターとして、唯一比較できるのは美空ひばりだろうか。僕は美空ひばりのデビュー時をよく知らないし、だから彼女が大スターという認識はあるものの、白黒映画に出てた頃に大絶賛されて人気が出た、その理由を実感としては知らない。大御所になってから過去を振り返るというのはどうしても限界がある。NHKの松田聖子特番でも、「旧いカセットテープを発見しました」といって、再生されたのが『制服』という曲のデモだったのだが、この『制服』を「B面の曲でしかなかったのになぜか大人気になった」という紹介をしていて、ああ、この番組を作った人は松田聖子がデビューしてヒットを連発していった頃のことをリアルタイムでは知らないのだろうなあと感じずにはいられなかった。

と同時に、松田聖子の初期をリアルタイムで知っていることがそれほど重要なことなのかという想いも湧いてくる。今松田聖子特番を見ている20代30代は絶対に当時のことを知るわけがないのだし、それでも松田聖子の若いファンも少なからずいるのだし。そういう若いファンがどういう経緯で、どういう点に魅力を感じて松田聖子ファンで有り得ているのだろうか。おそらく、僕のようなリアルタイム派とはまったく違った見え方なのではないだろうか。

それにしても、名前を挙げた美空ひばりは52歳で他界しているわけで、松田聖子はその年齢をとっくに超えている。亡くなる前の美空ひばりの東京ドーム公演などを見ると120%大御所というオーラに包まれているのだが、その点松田聖子にはそういうオーラが無い。いやもちろんオーラはあるし、間違いなく大御所なんだけれど、それ以上にまだまだ「聖子ちゃん」というオーラの方があって、そこがすごい。現在58歳だからおばあちゃんというにはまだまだ早すぎるが、もう20年ほど経って70代後半になったとしても、雰囲気はほとんど変わらずに聖子ちゃんとして歌い続けているんじゃないだろうか。

(2020.9.26) (レビュアー:大島栄二)


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Posted by musipl