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TENDRE『HOPE』【スーツを脱いでみた時に、その違いはより鮮明にわかるように】

2年とちょっと前にレビューしたTENDRE。その時はシティーポップでカッコいいと評価したけれど、じゃあシティポップってなんだっけって思い返すと、それは少しばかり表面的なカッコよさのことだったのかもしれないと感じる。当時はそう感じてなくて、というのはシティポップ全般にではなく、単にTENDREの楽曲についてで。もちろんカッコいい楽曲だったし、こりゃ伸びるわなと疑いなく感じた。その時点では最高評価のつもりだったのだ。だが、久しぶりに聴いてみて、なんか違う、前回聴いたのと較べてなんか違う、と感じたのだった。

強いていうならば、今回の楽曲には、感情を揺さぶらせる何かがある。前回の『DRAMA』が全面的にカッコいいが出てたのに較べ、この曲ではカッコよさが少しばかり影を潜め、その分だけ内にある感情が表に出てきたような感じ。その差はとても微妙なのだけれど、その微妙な差でこれほどまでも表情に違いが出るとは。2年ちょっとの時間によって変化したのではない。このMVよりも2ヶ月ほど前に公開されているMV『LIFE』の方はやはり「カッコいい」が前面に出てきている。それが悪いということではまったくなくて、そのカッコいいというのは、その内側に感情に触れる力があるから、そのカッコいいがきちんと映るということなのだろう。それは例えて言えば、スーツを着れば誰だってきちんとした見栄えになるものの、肉体が鍛えられている人が着た方がよりそのスーツの良さを活かしたカッコよさに映るようなもので。そのスーツを脱いでみた時に、その違いはより鮮明にわかるように、こののんびりとしたテンポの『HOPE』はTENDREの内面を鮮明に見せてくれているように感じられたのだ。

(2020.10.12) (レビュアー:大島栄二)


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Posted by musipl