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オレモリカエル『パイオニア』【予想もしないようなハッピーな何かと連鎖していくかもという期待感】

2009年結成の彼らのデモを2009年に聴いて、何度かやり取りをして。でもその時には活動がどういう方向で進んでいくのか全然見えない様子で、一枚岩で前に進むとかではまったくなくて、いつのまにか話も立ち消えとなっていった。普通ならそういうバンドのことをいつまでも覚えていることはなくて、なぜなら、そういうバンドのほぼすべては空中分解して活動を停止してしまうのだから。そうでなくとも、2009年のバンドが11年後に続いていることは少ない。忘れて当然だ。

でも、覚えている。曲が良かったからだ。

そんな彼らの新しいMVがあるのを知って驚いた。だって、2009年に活動が消えかけたバンドの2020年の新しいMVだ。そして視聴した。驚いた。11年前とはけっこう違っていたからだ。そりゃ11年も同じままであるはずはない。だが、だったら違うバンド名で再始動しててもおかしくないのに、同じバンドで、11年分の変化。変化といってもダメな方向ではなく、自由でハッピーな方向に進化していて、嬉しくなった。

2009年に聴いたデモの曲は2017年のアルバム『おふとん』に収録されている。当たり前のように再レコーディングされていて、当時の曲よりもリズムにインパクトがあるように感じた。耳に馴染んだバージョンと違うと違和感として感じるのは仕方ないけれど、その違和感もプラスに受け止められるような仕上がりだ。そしてなにより、この曲だ。曲の雰囲気がガラリと変わってて、そりゃあバンドがいろんなテイストの曲をやるのは当然なんだけれど、この自由さ。なぜ途中からラップが入ってくるんだ。そしてこの違和感あるはずのラップの自然なこと。歌とラップの双方のハッピーさが融合して相乗効果が生まれている。こういう曲を聴くと、彼らが今後生み出すであろう曲たちが予想もしないようなハッピーな何かと連鎖していくかもという期待感が膨らんでくる。

長くいろいろな音楽を聴いていると、こんな再開があるから面白い。

(2020.10.23) (レビュアー:大島栄二)


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review, 大島栄二

Posted by musipl