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フラチナリズム『インク』【名曲の可能性を秘めている、すごく良い曲】

この曲、すごく良い。レビューで「すごく良い」ってなんだよと自分でも思うが、シンプルにすごく良いのだから仕方ない。それでどんなバンドなんだろうと思って過去曲を聴く。『それでも世界は優しくて』という曲を聴く。ん〜、これは普通。なんというか、不必要に力が入っているのだな。MVでは狭い部屋でのギター弾き語りから始まり、ほぼほぼ1番すべてをそれで歌って、バンドサウンドバージョンが始まる。実際にはバンドサウンド版のパートは2番から始まるのだけれど、聴いていて、弾き語り部分が全体のイントロのように感じられる。曲の内容もけっこう社会派というか、さまざまな苦難に直面する若者のような何かを歌っている。そういう問題はやってみると意外と重くて、けっこうしっかり取り組んだはずなのにまるで表面をサラッとなぞったみたいな結果になることが多い。それは問題の深刻さに原因があるのだけれど、結果としての作品に問題があるかのように思われるケースが多いので、取り組むには注意がいる。おそらく、このフラチナリズムというバンドの本質はそんな社会問題をえぐるようなところにはなく、音楽性そのものにあるはず。その点、この『インク』という曲は比較的シンプルなラブソングになっていて、だから聴いている人が深く考えたり悩んだりしなくてもストンと落ちてくる。喉の奥で一度溜まるような声質も、この曲では愛に心が残っているマッタリ感につながるようで心地良いし、サウンドの方も焦らず急がずな感じで平穏な心模様をよく表現している。サウンドのキーは鍵盤とストリングス(おそらくシンセ)で、メンバー4人のパートにはないのでライブの時にどうするんだろうとは思うけれど、この鍵盤とストリングスも曲を盛り上げるのにとても効果的。いろいろとチェックしてみると大手事務所に所属してて、メジャーデビューして5年以上経過のそれなりにベテランになりつつあるところだろうけれど、この曲の再生回数は少々少なくてもったいない。もっと多くの人に聴いてもらう価値がある、名曲の可能性を秘めていると思うのだけれど、どうだろうか?

(2021.1.12) (レビュアー:大島栄二)


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review, 大島栄二

Posted by musipl