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the Brave Deer『僕らはここで生きていく』【音楽が完璧なんだからさと、勝手に応援したくなる】

めっちゃカッコいい。ロックだなあと感心する。冒頭第一声のシャウトぶりも、そこにすぐさま入ってくる、コーラスというよりシャウトのハーモニーみたいな感じのシンクロぶりも、ひとつひとつの楽器の音も、全部がロック。ロックが魂だとか言われるし僕も言うけど、魂だ魂だとかいってロックをやっているとサウンドの方が少々雑になることが多くて、それでも魂の部分で突出してロックならそれでも別にいいんだけれど、これがサウンドの面でも雑じゃなくて響いてくれたらなあというケースはそこそこある。その点このバンドのサウンドは何だ。4ピースのシンプルな構成で、レコーディングならついついギターを何本も重ねたりしたくなるところを、そんなことまったくなくて。いや、もしかしたら僕の耳がダメで聴こえてないだけかもしれないけれど、いやいや2人のギターの分しか鳴ってないだろと思うし、それがまったく不足がない。もの足りねえなどと一切感じない。ギターが2本あればもう十分じゃんかと思えるほど縦横無尽に鳴っていて、それが全部ちゃんと聴こえる。ギターだけじゃなくてベースもドラムも、鳴らしている音が全部クリアに聴こえる。ギターソロの後ろで鳴っているベースがちゃんと聴こえているし、美しい。ドラムがシンプルにリズムを刻んでるだけじゃなくてかなり打数が多くてドカドカと回しているんだけれど、そこに無駄な音が無い。完璧といっていいんじゃないだろうか。じゃあ完璧ってなんだよって思われるだろうし自分でも思うけれど、なんかね、こういう人たちにロックバンドをやって欲しいなあという、そういうことなのよ。もちろんビジネス的な戦略とか、事務所の切れ者スタッフとの共同作業とか、業界のバーターとか、マーケティング的な何かとか、伸びていく上ではそういうのを避けることはきっと難しいと思うし、それを上手に乗り切った人たちが今売れてるってポジションにいるんだろうけれど、その中には、別にお前に歌ってもらわなくてもいいんだよとリスナーとして思う人が結構いるし、それはバックについてるエグゼクティブなんとかの人もそう思って、代わりはいくらでもいるとか思ってるんだろう。そういう人の賢い立ち回りと、ロックはまったく関係の無いもので、もしかすると彼らは世渡りとか下手かもしれないし、世渡りが下手なせいでそんなに伸びずに埋もれてしまうかもしれないけれど、それでもいいじゃん、音楽が完璧なんだからさと、勝手に応援したくなるし、むしろ世渡り下手の不器用な分だけ、想いをサウンドに載せる分野で突出することができるんじゃないのかなあなどと無責任に思う。本当に無責任な言葉を並べただけで申し訳ないなあと反省しているけれど、これだけのロックを聴かせられて、小賢しい言葉を並べる勇気が僕には無いのだ。

(2021.1.25) (レビュアー:大島栄二)


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review, 大島栄二

Posted by musipl