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底なしの青『ホロウ』【ボーカルとギターが主役を争っている、のか?】

イントロがカッコよくて引き込まれる。その先ずっと聴いてて、あれ、魅力的なイントロは一体どこにいったんだろうという印象は少々あるものの、それでもずっとギターが細かなフレーズを入れてて、そこだけで聴き続けられる。こういうアレンジってどうなんだろうとずっと思ってるんだけれど、どういうことかというと、まるでボーカルとギターが主役を争っているみたいで。レコーディングの際には音をどんどん重ねていくことができるし、普段のライブパフォーマンスでは出すことのできない音を乗せていくことでより理想に近いサウンドを作り上げる。それがレコーディング音源の良いところだし、MVではレコーディング音源を使うのが普通で、だからこのMVみたいに演奏シーン中心のパターンだと「演奏してない音が鳴ってるぞ」ということも多いのだが、このMVを見る限り、レコーディングでも1人1音というか、ライブで出来ない音は重ねられてない気がする。だからバッキングというかカッティングというか、演奏中ずっとジャカジャカと弾いているギターが存在してなくて、こまかなメロディ的なフレーズをフライングVのギターが鳴らしている。ボーカルもギターを抱えているものの、歌いながら恒常的にギターを鳴らすことはない。サビやその前くらいではカッティングに相当する音を鳴らしているものの、その音を前に前に出すミックスにはなってないから、サウンド的にもそれを押しているのではなさそうだ。だとしたらフライングVのギターのチョロチョロと鳴っているフレーズはバンドサウンドとしても重要な意味合いを持っているのだろう。実際にこのギターフレーズを除けば基本的なリズム隊だけというシンプルなサウンドになるわけで、そうなるとこの曲は4分半を持たすことが出来なくなるのではないだろうか。最初に、ボーカルとギターが主役を争っているみたいと書いたが、ボーカルが歌っているところではあまり目立ち過ぎずに、それでもバンドサウンドとしての緊張感を維持するのに必要な音は鳴らしつつ、イントロや間奏ではズドンと弾きまくってリスナーを惹き付けようとしていて、バンド内バトルをしているというより、バンドを成立させるための役割を、緩急をともなって演じているという方が正しいのかもしれない。

(2021.1.26) (レビュアー:大島栄二)


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review, 大島栄二

Posted by musipl