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Absolute area『introduction』【2年前とはまた別次元の力強さを携えて、リスナーの一歩に寄り添える曲】

2年以上前のAbsolute areaのレビュー記事がずっとアクセスされていて、毎月のようにランキング上位に入っている。熱心なファンに支えられているんだろう。それほどアクセス数の多いサイトではないので、他のバンドだって少数のファンが根気よく取り組めば、同じようにランキングにずっと入るようにはなると思うが、実際にはほとんどすべてのバンドやファンたちは動かない。もちろん、musiplでランク入りすることにどのくらいの価値があるのかという問題はあるだろう。そう、多分無いのだ。しかし、この程度のサイトでアクセスが集まらないということは、もっと重要な何かのランキング競争に取り組もうとしたところで、結局はいい結果を得ることはないだろう。フェスのアマチュアステージに出るためにということで毎年毎年多くのバンドやファンたちが頑張っているのを目にするが、そこで結果を出せないということはそういうことなのだし、そういうところでの地力が、結局はバンドが大きな成功を手にするかどうかの分かれ目で、結果を左右することになる。そういう視点で考えれば、Absolute areaというバンドは将来的に大きな分岐点で、良い結果をつかみ取るベースを持つ可能性を持っているといえるだろう。

そのファンの努力に敬意を表して、こうしてまたレビューを書きたいと思うのも、可能性のひとつの表れのような気がする。もちろんここでまたレビュー記事が出るということがそんなの大きな何かではないけれど、僕以外にも彼らの可能性を感じる人はきっと方々に現れるのだろうし、その人が大きな力を持った人であれば、そりゃあ可能性も広がるというものだ。

しかし、彼らを後押しする原動力が地道な草の根プロモーション活動にあるのかというと、そんなことはない。やはり最終的かつ最大の要素は、音楽の力だ。このmusiplでコツコツとアクセスを続けるファンも、例えば友人だからとか、メンバーに頼まれてとかでやっているのでは無いはず。そんなんで人が動くと思ったら大間違いだし、それで動くのなら誰だってサマソニに出られるはず。たとえ友人であっても、音楽そのものに将来性があると信じられなければ、どんなに後押ししたところですべては無駄にしかならないのだから、やりはしない。そうじゃなく、他人のいちファンであっても、彼らの音楽性に大いなる価値を感じ、将来の成功を信じられるから、地味な後押しをコツコツとやれるのだ。誰に頼まれるでもなく、ファンとして一緒にバンドのサクセスストーリーに参加する。それは音楽を信じられれば信じられるほど、喜びそのものなのだろう。

この曲を聴けば、それは誰にも理解できるのではないだろうか。2年前のMVでは、曲に描いた世界をモデルさんの力を借りつつ映像で表現していた。しかし、このMVの力強さはそれとはまた別次元で、若者がこれから進んでいく道を信じ、強い心で前に踏み出していく様子を歌っている。その進んでいく歩みを、自らのバンド活動と重ねあわせるようにして表現している。この2年間で、彼ら自身も何らかの確信を得たのではないだろうか。誰もが未知の世界に踏み出すのは怖くて、だから不安で。しかし本気で取り組むことで他よりも一歩先に行くことができるし、その一歩が自信につながる。一歩前に行けている姿が周囲の信頼にもつながるし、信頼した周囲はまたその歩みを後押ししてくれる。バンドとして先を行こうとする姿を見せることで、リスナーの不安な一歩を後押ししようとする。2年前の曲で、遠くに行こうとする彼女をただ見送るだけだったストーリーとはまったく別の力強さとしてこの曲はあるし、そこに彼らの進化も、今の力強さも感じられる。その力強さがあるからこそ、リスナーの新たな人生のイントロダクションに優しく寄り添えるのだ。

(2021.2.20) (レビュアー:大島栄二)


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Absolute area, review, 大島栄二

Posted by musipl