佐野元春
 
『YOUNG BLOODS』
 先日なにかのテレビ番組のBGMで佐野元春が流れてて、感じとしては洋楽が流れてるような雰囲気なんだけれどもやっぱり佐野元春。その曲が佐野元春だと知ってるからわかるのであって、知らなくて気にしてなければただの洋楽という印象で流れてしまったんじゃないだろうか。30年ほど前に聴いていた時にはそんなことはまったく思わなかったのだが、80年代から90年代にかけての洋楽を聴いては消化して自分の音楽に取り入れようとしていたのがサウンドからよくわかる……
 
  (レビュアー:大島栄二)  

 
『君が気高い孤独なら』
 1980年代、佐野元春を聴いていたのは、彼が希望をメッセージする表現者だったからだ。ポジティブとか勇気とか、そんなものをメッセージする人は掃いて捨てるほどいる。だが、希望を明確に描いてくれる人は他にいなかった。それもスタイリッシュに。スタイリッシュな音楽もまたポップス畑にたくさんいる。だが、ロックの切り口でスタイリッシュに希望を語ってくれる人は他にいなかった。ある程度売れてから彼の作品は過度にスタイリッシュに向かっていき、結果として……
 
  (レビュアー:大島栄二)