The Monkees『You Bring The Summer』 Next Plus SongT字路s『これさえあれば』

qimygo
『言葉のいらないうたばかり』

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 このベースの音が好き。画面では右から左に歩いていくシーンが延々と繰り返され、その歩みとシンクロするようにボンボンボンボンと鳴っている。スキップでもないのであくまで四分音符の一定のペースで鳴り進むのだが、ドラムを中心として生み出される控えめに跳ねたリズムが、淡々と歩くのも楽しいよと思わせてくれるようだ。そこにホーンセクション、特にトランペットの押さえた感じの音が重なってくる。淡々とした歩みに彩りが加えられる。全体がほんわかとしたムードに包まれる、もちろん聴いている自分も。このサウンドはどこかで聴いたなと思っていたら、小泉今日子の「丘を越えて」だ。スカパラがアレンジしたあの曲もトランペットとベースによるこのゆったりしつつも前に進むムードが溢れていた。勢いやノリというのもホーンセクションを持つバンドの特徴的なポイントだが、それが押さえ気味に鳴ることでこういう静かな力強さを生み、いつもは縁の下の力持ち的な役割に徹することが多いベースを主役に押し出していくというのが面白いところだ。qimygoさんのライブ動画をいろいろと見るとこうした淡々とした曲だけでなくノリのいい曲もレトロな雰囲気でいろいろとやっているようなので、いろいろ眺めてファンになってみるのもいいだろう。
(2016.8.11) (レビュアー:大島栄二)
 


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