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キュウソネコカミ
『ギリ昭和 〜完全版〜』

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 新しい元号、みなさんもう慣れましたか? 新元号が発表されるのはまだかまだかと、カレンダー業者大変なんだよとか、システム屋さんも大変なんだよとか、いろいろ言われました。が、昭和が終わる時はもうそろそろ終わるよねとみんな思ってたのにそのことを言うなんて不敬ですよとかでなんとなく自粛。いろいろなものが自粛。新しい元号を早くなんて言おうものならなんつーこと言うんだ的な感じで白眼視されて。いや、言っても別に良かったんでしょうけどね。で年が明けたばかりにお亡くなりになられて、数時間で平成が発表されて。それでもなんとかなったんだから、新元号もなんとかなるんでしょうね。慣れんけど。
 新元号が発表されて速攻でキュウソネコカミがアップしたのがこの「ギリ昭和」。やりおるなと感心します。ギリ昭和といいつつ、この曲はこれから準新作になっていくギリ平成の人たちへの讃歌なのでしょうか、よく知らんけど。キュウソのメンバーは1987年から1988年の生まれで、平成が1989年1月から始まったのでやっぱりリアルにギリ昭和なバンド。この曲で歌われていることは彼らの実感そのものなのかもしれません。飛び道具的な変な歌を歌う元気なバンドとして登場した彼らだが、最近ではヤバTとかも登場してきて、ちょっとばかり古株感が感じられる。その辺もギリ昭和の人が感じる焦りとか不条理な取り残され感にも通じる何かがあるんでしょうか、知らんけど。
 それにしてもこのMV、YouTubeで公開された日付が2019/03/31で、これはアメリカ時間を表示してあるので実際は日本時間の4/1。つまり令和が発表されてから速攻で準備してアップしたもの。曲の中で「令和!!」とシャウトしているので、11:30過ぎに新元号が発表されて、それからシャウト部分をレコーディングしてミックスして、それまでに制作していたMVに組み込んで書き出してアップすると。一連の流れを想像するとタイトな流れだったはずだし、それをやりきってて実にあっぱれ。「令和!!」のシャウト声がヤマサキセイヤの声とは違うように聴こえるので、別人がシャウトしてミックスしたのかもという気もしないではないけど、それでもその流れを短時間でやり遂げてアップしたのはよくやったなと思うし、準新作の人たちもまだまだやれるぜと、ギリ昭和でもない昭和のオッサンとしては共感というかリスペクトというか、そんな気持ちです。よく知らんけど。
 しかし、平成に元号が変わることでギリ昭和の人が準新作になるのであれば、令和になったら準新作でもなくてただの旧作になってしまうのだろうか。それもなんだかなあという気がするし、もうそろそろ元号なんてやめちゃえば良いのにと、平成最後の日に考えたりしています。
(2019.4.30) (レビュアー:大島栄二)
 


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