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THE FOREVER YOUNG
『ミッドナイトライナー』

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 ギターを抱えたおにいさんがおもむろにギターケースを開いて歌い出す。この場所は、新宿駅南口だ。ルミネの向かい側、20年ほど前から新宿で路上演奏といえばこの場所だ。バスタ新宿が開業して、この辺りの工事がすっかり終わってしまった今も、ここではストリートミュージシャンが歌ったり出来るのだろうか。東京五輪を1年後に控え、路上で自由にパフォーマンスなんてことはどんどん規制されているんじゃないだろうかという気がする。遠く離れたので確認のしようもないけれど。曲のタイトルがミッドナイトライナーで、バスタ新宿の前でそれを歌われたら、深夜高速バスのことなんだなと自動的に思ってしまう。リリース発売を記念したライブのタイトルが「ミッドナイトライナー久留米行き」「ミッドナイトライナー東京行き」とされていることからも、この思い込みはそんなに間違ってはいないのだろう。だが歌詞自体は高速バスを絡めたロードムービー的なものではなくて、むしろ精神性の部分での飛翔のような、その後押しのような意味合いが強くて、バスとかそういうものはほとんど関係ないような印象がある。それにしてもクニタケヒロキのハスキーな声の破壊力がすごい。楽曲そのものはひとつひとつ言葉を重ねていくことで全体のイメージを繊細に紡ぎ出しているのに、この声でひと叫びされてしまったらもう急速に引き込まれていく。声が特別美声というわけでもなく、顔が特別イケメンというわけでもなく、それでも人前に出て歌を歌おうとするのは一体どういう心理なんだろうと思うことはよくあるが、クニタケヒロキのような破壊力を耳にすれば、綺麗さとかルックスとかいったわかり易い基準だけがアーチストじゃないぞこの野郎とハンマーでぶっ叩かれたような、瞬間的な理解に到達出来る。こういう歌こそ、たいした価値などそんなに持っていないほとんどの若者たちにとって、信頼出来る拠り所になれるような気がする。
(2019.7.2) (レビュアー:大島栄二)
 


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