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田中ヤコブ
『THE FOG』

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 めっちゃなごむ。音楽の世界でナゴムというと旧い世代にとってはニューウェイブロックというか、ケラ氏がやってたインディーズレーベル的な音楽ということになるのだが、あれは全然なごめないんだよね。やっぱインディーズだから過激な音楽ばかりになっちゃうのかな。というのは変な話で、インディーズは音楽のジャンルではありません。この田中ヤコブという人もやっぱりインディーズで、いや、それは所属がどこかとかいう話ではなくて、音楽にインディーズの臭いというか香りというか、そんなのがめっちゃ漂ってきます。誰を喜ばせようとかいう意識よりもまず自分の好きなこと、好きな音楽をやっていますよ、好きなら聴いてね、好きじゃないなら聴かなくていいから、的な雰囲気が満載の音楽は、まさにインディーズ臭プンプンということじゃないでしょうか、良い意味で。たまたま出会ったから良いなと思って、聴けば聴くほど味が沁み出してくるようで、とても良いです。ラッキーオールドサンのギターを担当していた人ということらしいけど、その立ち位置、経歴にもう好きな音楽だけ全開全速でという何かが薫ってくるよう。もっともすでに稼ぐため第一主義の人は音楽業界からは立ち去っているだろうから、ほとんどのミュージシャンは好きな音楽をやっていますよの人なんだろうとは思うけれども。
 のんびりとしたほのぼのワールドが展開されていて、歌詞はどんなだろうなと思いながら聴こうとするんだけれど、この曲ののんびりっぷりに当てられて、歌詞を吟味しながらという集中力がすぐに失われてしまう。いかんいかんと思いながら気を引き締めるんだけれど、すぐにゆるんでぼーっとしてしまう。暑いからというのも理由なのかもしれないけれど、やっぱりこの曲には人の意識を弛緩させるドラッグ的な効用があるのだろう。
(2019.8.19) (レビュアー:大島栄二)
 


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