2016年のmusipl.comでの1月アクセス数上位10レビューはこちら!

 
1位 H ZETTRIO
『Beautiful Flight』
 H ZETTRIOは、昨年惜しまれつつ解散したPE’Zの主力メンバー3名で結成された“笑って躍れる”ピアノ・ジャズ・トリオです。書く順番を間違えてる感がありますが、気にしないで下さい(笑)3/1〜4/28まで全国ツアーWONDERFUL FLIGHT TOUR 2016が始まります!私もどこかで行こうっと!映像作家UGICHINさんのピアノと映像で世界の子ども達に音楽の楽しさを伝えるプロジェクト… (レビュアー:本田みちよ)
 

 
2位 中島みゆき
『麦の唄』
 メガ・ヒット曲、知名度があっても、どこかひねくれ、尖り続けながら、確実に多くの人たちの背中を押すアーティストとは考えるになかなか居ないが、それでもやはり、中島みゆきの情念、バイタリティは日本の中で渦巻く集合的な言語化しきれない無意識の言語化できない葛藤や行き場のない想いをどこか代弁するようで、突き放し、考えさせる懐の深さがあるのかもしれない。こんな世知辛い瀬に、彼女の唄は… (レビュアー:松浦 達
 

 
3位 SANABAGUN
『人間』
 TV放送のアニメ制作者の「ベッドシーンはNGなので、代わりに男女の食事シーンを意図的に入れてる」との話に、メジャーの難しさは規制の枠、それを感じさせない表現かと。深夜フリートークで「こんな雨の日は一日中部屋で彼とヤりまくりたい」と気さくに話す歌姫も、メジャーではカブトムシやテトラポットに置き替えて「こんな夜にお前に乗れないなんて!」的に暗号化する訳で。サナバガンの1stメジャーアルバムの… (レビュアー:北沢東京)
 

 
4位 FAKE EYES PRODUCTION
『BAD GIRL feat. LOBSTER & CAT』
 スケボーキングやSteady&Co.のフロントマンとして活動後も多数のプロジェクトを手がけるShigeoJD、DEXPISTOLSとしての活動休止後、その動向が注目されるDJ MAAR。日本の音楽史に残る一時代を築き上げた2人の、世界へ向けたプロジェクト FAKE EYES PRODUCTION。昨年9月にリリースされたEP ”FREE YOUR MIND”に収録されている「BAD GIRL feat. LOBSTER & CAT」のMVが先日完成したということで… (レビュアー:本田みちよ)
 

 
5位 THE YELLOW MONKEY
『バラ色の日々』
 活動停止があれば解散もあるわけで、解散があってもまた再結成がある。年明け早々に突如発表されたイエモンの再結成。今のところ10会場20公演のライブツアースケジュールが発表され、それに伴いファンクラブの発足がアナウンスされた。イエモンが活動していた90年代半ばとは、BOØWYもすでに解散し、THE BLUE HEARTSも実質活動を終えていて、同時期の人気バンドとしてはJUDY AND MARYなどかいた… (レビュアー:大島栄二)
 

 
6位 THE Ruee
『I am Sick』
 バンドの特徴が歌に求められるのはいいのだが、それならば別にロックでなくとも歌謡曲でよかろうというケースが多々ある。それは要するにロックである必然性がサウンドに存在していないということなのだろう。ではバンドである必然性のあるロックサウンドとは一体何なんだと考え始めてみても、明確な答えなどは絶対に出てこない。そこには歌詞の内容やメンバーの生き様なども絡んでくることだからである… (レビュアー:大島栄二)
 

 
7位 松任谷由実
『A HAPPY NEW YEAR』
 ユーミンほど長い活動歴ある人の、どの曲に思い出があるのかと問われればきっと十人十色。セールス的には「LOVE WARS」や「天国のドア」といったあたりの200万枚を超えたアルバムに収録された曲が一番多くの人の耳に届いているのだろうが、荒井由美時代のセンスと才能をこれでもかと感じさせた楽曲をあげる人も多いだろう。僕はといえば兄が持っていた「PEARL PIERCE」をカセットテープに録音し… (レビュアー:大島栄二)
 

 
8位 David Bowie
『Changes』
 デヴィッド・ボウイが病魔と対峙したすえに、逝去した。ずっと在り続けるようなマジカルな存在だったという驚きと悲しみとともに、世界の各地、改めて少なからぬ人から「どんな人だったの?」と問われることがあり、縦軸と横軸の位相の変化を想うことがあった。縦軸にはこれまでの歴史に沿う。だから、年表的な符合と都度の浮き沈みが付記される。横軸は地平に繋がる。だから、ある種、無限に膨大な荒野に投げ出される… (レビュアー:松浦 達
 

 
9位 ロクトロン
『Realize』
 スカッと抜ける声はちょっと人工的なにおいがする。デスクトップミュージックも初期の頃には音符の通りに音を鳴らすだけの機能で精一杯で、だから味気ない印象だった。その後クオンタイズをどれだけずらすのかみたいな試行錯誤に躍起になって、でも徐々に実際に演奏しながらのリアルタイム入力が当たり前になり、人工的かどうかの評価はあまり意味が無くなる。電子音を電子音のまま活かすピコピコテクノも… (レビュアー:大島栄二)
 

 
10位 yonige
『アボカド』
 バンド名がどんどん変な方向に行くのは、やはり検索してもらってナンボという考えが浸透しているからでしょう。昔だったらそれバンド名なのかと思うような、文章ですかというようなバンドもたくさん出てきて、じゃあかえって短いバンド名の方が目立つんじゃないのと思ったりもするけれども、短くてありふれた名前であれば、やっぱり検索で引っ掛からなくてソンだったりします。そりゃそうでしょう… (レビュアー:大島栄二)
 

 
次点 博せ(関口知宏)
『AIR』
 父は司会者で俳優・タレントの関口宏、母は元歌手の西田佐知子、祖父はかつての映画スターである佐野周二。関口知宏と聞くと、「俳優」であり「鉄道で旅をしてる人」のイメージが強いかもしれません。そんな彼が、突如 ”博せ”として音楽家デビューし、俊足で売上げランキング2位を叩き出し、世間を賑わせています。そもそも”博せ”ってなんですか?という話なのですが、【MUSIC SHARE】の人気コーナー…  (レビュアー:本田みちよ)
 

 
編集長コメント

1位 H ZETTRIO『Beautiful Flight』:本田みちよさん紹介のH ZETTRIOが堂々の1位。堂々というか、2位にトリプルスコアくらいの大差でぶっちぎり1位でした。アクセス数の多さも気になるところですけど、やはりこの音楽の面白さというか、楽しさというか、そういうのが際立つ1曲でした。本田さんのチョイスのバリエーションの豊富さに毎回新鮮な驚きを感じていますし、もちろんこの曲もそうでした。

2位 中島みゆき『麦の唄』:昨年末にレビュー公開して以来もう毎日ずっとアクセスが絶えずに今月も2位にランクイン。有名シンガーだし朝ドラのテーマ曲として誰もが聴いたことのある1曲なのでもう今さらどうこういうこともないのですが、そんな大メジャー曲で大メジャーシンガーでも、こういうレビューへのリンクをきっちりしてくださっていて、売れてる人はそういうところも違うなあと感じ入ります。

3位 SANABAGUN『人間』:SANABAGUNもずーーっとアクセスが続いてて、だから先月よりも1つランクが上がって第3位。強いですね。本当に強い。曲もユニークで面白いので、みなさんこれからも聴いてくださいね。

6位 THE Ruee『I am Sick』:ロック!って感じのバンドです。ロックの場合生き様とか主張とかも絡めながらのロックだったりすることが多いのですが、こういう、サウンドでロックって感じの曲はスカッとしますね。こういう音楽を聴いて「ロックだ!!」と素直にステップを踏めるような人であり続けたいと思います。オッサンだから余計にw。

8位 David Bowie『Changes』:また大物が他界しましたね。個人的にはデビッドボウイの音楽にはそんなに触れてなくて、戦場のメリークリスマスに登場した英軍少佐役の彼の印象が一番強いです。ネット上では日本にこんなにもデビッドボウイファンがいたのかと驚くくらいでしたが、そんなに知らないから触れることも出来ず。と思っていたら松浦さんが取り上げてくれました。彼らしい深みのある文章が、大物の訃報に際したレビューには相応しいなあと感じました。

 1月のランキングにはビッグネームが並ぶ結果になりました。無名だけども良い音楽を紹介するという趣旨で始めたmusiplで中島みゆきに松任谷由実にイエモンにデビッドボウイって、一体いつのランキングだよと個人的に思わないわけではないのですが、だからといってランキングを操作するのもおかしな話なので、(当たり前ですけど)musiplっぽくない順位のままでランキングを紹介しています。思うのはやはり無名のアーチストもっと頑張れよということです。musiplでレビューされてそれを活動にプラスに活かすこともできるはずなのに、ほとんどできていない。それが有名アーチストとの決定的な違いなんじゃないかなあと思うのです最近は。このことについてはまたいずれ書いてみたいと思っていますので、その時は是非よろしくお願いします。

 このあいだ紅白歌合戦見てたと思ってたらもう2月ですよ。早いものです。時の流れに負けないように、今月もぼちぼち頑張っていきましょう。

(大島栄二)