2019年のmusipl.comでの8月アクセス数上位10レビューはこちら!


 
1位 岡崎体育
『龍』
 岡崎体育は多岐に渡る活動で分かるようにサービス精神と器用さに抜きんでているものの、本当に賢く繊細な感受性の鋭敏な方だと常々思う。自身の道化性を弁えて、時に素の自分に沈み込むような生真面目さの幅でもがき、このメジャーでは3枚目となる『SAITAMA』では積み重ねてきた岡本体育像が真摯に凝縮されている。これまでのような… (レビュアー:松浦 達
 

 
2位 西城秀樹
『ブルースカイブルー』
 ザ名曲。西城秀樹の歌をザ名曲と言ってる時点で僕の年齢もバレるというものだが、この動画のコメント欄には「最近知った曲。すごく惚れました!」という言葉があったので、年代に関係なく良い曲は良い曲なのだろう。これがリアルタイムの頃はまだまだ子供で、歌詞の内容などよくわかってなくて、それでも名曲だなあと好きになったのは、歌詞の内容など解るはずもない洋楽を聴いてイイなあと思うことと同じ… (レビュアー:大島栄二)
 

 
3位 ワタナベシュウヘイ
『I'm free』
 夢見る覚悟を決めたのさ。この歌詞にすべてがこめられている。自分の好きに生きるということが夢を見るということなのだろうし、それには当然苦労も伴う。安定した生活が楽に決まっているけれど、その楽な道がどこかの企業に勤めるということであれば、それにはそれなりの苦労も付いてまわる。その生き方を好きな生き方だとして夢見る人だっているわけで、そのことを否定するつもりはない。だが、企業人と… (レビュアー:大島栄二)
 

 
4位 フィッシュライフ
『むしかご』
 もしも○○になったらどうしよう。人はそんなことばかりを考えて不安を抱えたりくよくよしたり。いやいやいつかどこかで何か予想外のことは起こるんだから、起こった時のためにいろいろと考えて備えていた方がいいよと用心深い人は言うが、予想外のことはやはり予想外のことで、だからいくら考えて備えておいたところで、予想外のことが起きた時には備えなど出来ていないのだから、結局はくよくよ不安を抱えて… (レビュアー:大島栄二)
 

 
5位 フラワーカンパニーズ
『ハイエース』
 フラカンはいまもハイエースに乗っているのだろうか。
 バンドがツアーで全国のライブハウスを回るとき、新幹線で移動なんていうのはごく稀なケースで、大抵は交通費をできるだけ切り詰めた手段を考える。初ツアーではメンバーの誰かが持っている普通の乗用車で行くし、ソロシンガーなら深夜の高速バス&ネットカフェというのが最近の定番だ。しかしバンドで、理想の音を出したいからとアンプも… (レビュアー:大島栄二)
 

 
6位 ORIGINAL LOVE
『ゼロセット』
 彼はこの曲で「ゼロセットしよう」というメッセージを送る。「最後まで攻めよう」と歌う。「人生に何度も挑もう」「チャンスはライトナウ」と叫ぶ。いいな、いいよ。やる気が出てくる。若者に向けたメッセージソングは数在るが、50代へのメッセージソングは珍しい。しかし、この曲はそんなに音楽ビジネスとして大成功を収めているとは思い難い田島貴男が歌うから、リアリティと強さを伴って同世代に響く。そうだ… (レビュアー:大島栄二)
 

 
7位 中川家
『地下鉄御堂筋線ブルース』
 大阪の地下鉄、御堂筋線。その停車駅についてひとつひとつツッコミを入れるという歌。面白い。しかしツッコミを入れられている駅や街について何か知ってるのかというと実はほとんど知らない。西田辺にシャープの本社があったとか知らんし、動物園前の壁にどんな絵を描いてあるのかとか見たこと無いし、大黒町がどんな風に怪しいのかなんてまったく想像できん。それなのに面白いのはいったい何なのか… (レビュアー:大島栄二)
 

 
8位 ノンブラリ
『凪』
 さみしくなるのを止めたのだ。盲点だ。さみしくなるのは止められるのか。そうはいっても悲しいことやさみしいことが起きたとき、人は悲しくなったりさみしくなったりするものではないのか。違うのか。どうやら違うようだ。ある特定の状態になったら必ずさみしくなったりするのではなく、自分がさみしいと思うから、さみしくなるのだ。考えてみたら「さみしい」と「さみしくない」の中間に明確な1本の線が引いて… (レビュアー:大島栄二)
 

 
9位 パクチーズ
『君の好きな花』
 パクチーズの『君の好きな花』は「プール」の劇中歌。日本の生活を置き去りに、タイで思うままに暮らしている小林聡美が、静かなプール脇のイスに腰掛けてギターを弾きながら唄う。これが、作詞作曲小林聡美と知ってから再び映画を観ると、一度目に観た時の酷評から大逆転してしまった。この歌はお馴染みの…じゃなくて、最初に「私が作った歌」と小林聡美が役で言い切ってくれたら、そういうの映画の中ではっきりさせな… (レビュアー:北沢東京)
 

 
10位 Miyake Haruka
『空白』
 子供の頃の記憶なんてほとんど無い。祖父の記憶は数枚残っている写真にある姿だ。保育園の頃の僕と手をつないで神社で並んで立っているじいちゃん。どんな声だったのかも思い出せない。保育園に通って、小学校に行ったことは事実だが、そのほとんどを思い出すことができない。白黒の写真を見て、写ってるんだからそうだったんだろうなと思い込む以外に思い出す術はない。いや、それは思い出しているの… (レビュアー:大島栄二)
 

 
次点 kobore
『東京タワー』
 東京の暮らしに絶望的な心持ちを投影するというのが昨今の東京ソングには多くて。それは結局昨今の東京に暮らす若者を中心とした住人の心持ちをそのまま映しているということなのだろう。この曲でも「こんな街に何があるんだよ」「夢も希望も無い方が楽だな」「こんな街で何か見つけたかい」と歌われる。ふと見上げた夜空に輝いていた東京タワーの姿が。それに人は何を見るのだろうか。東京タワーが自分を見守って… (レビュアー:大島栄二)
 

 
編集長コメント

1位 岡崎体育『龍』:ある晩に猛然とアクセスが集まってて、なにが起きたんだろう、本人がリツイートでもしたかなと思ったけれど、このレビューに関するリツイートはいっさいなくて。まあどこかで誰かが言及してくれたんだろうけれども、よくわからんけど別にいいやと思ってました。でもマンスリーのアクセスランク1位になったのでもう一度調べてみたら、岡崎体育のTwitterで紹介されてた。そこで「俺の名前「岡本体育」になってて、ズコーッって感じでした」と書いてあった……。すみませんすみません。修正しました。いや、修正しない方がいいのかなとも思ったけれども、とりあえず修正しました。以後気をつけます。これからも岡崎さん応援してきます!

2位 西城秀樹『ブルースカイブルー』:岡崎体育ご自身がTwitterで触れたことでめっちゃアクセスが集まったために2位になりましたが、普通の月であれば西城秀樹さんのレビューが2ヶ月連続1位だったでしょう。そのアクセスは今も続いてて、ファンの支援の熱というものが本当にすごいなとあらためて感じているところです。亡くなっているのにね。いや、亡くなっているからこそ、想いは強くなるのかもしれません。もちろん亡くなれば誰でもということではないので、やはり西城さんがすごいわけなんですけれども。

3位 ワタナベシュウヘイ『I'm free』:ビッグネームと無名(というのはちょっと失礼かもですが)が同じ土俵でレビューされるというのがmusiplのいいところだと自負してますが、やはりアクセスランクという点ではハンデがあるかもしれません。そういう意味ではmusipl的な紹介アーチストとしてはこのワタナベシュウヘイがマンスリー1位といっても過言ではありません(過言ですけども…)。彼もこのレビューをいち早く知ってくれて、「このレビューを書いた人と話をしてみたい」とツイートしてくれました。書いた人って、僕か? いや、話すのはいいですけれど、どうしたらいいですかね。そんなこと言われちゃったらドキドキしますね。とりあえずは遠くから応援しています。そして、本人がツイートなどで触れると、アクセスは集まりますよね。みんな頑張って欲しいポイントです。

4位 フィッシュライフ『むしかご』:このレビューを書いた時点で既に解散していたフィッシュライフで、その当時もそんなにアクセスを集めることなかったんですけれど、それが8月になって突然アクセスを集めて、マンスリーの4位。どういうことなんでしょうかね。ファン経由なのかメンバー自身経由なのかもわかりませんけれど、やはり解散しても惜しまれるアーチストというのは、とても貴重だなあと思います。

6位 ORIGINAL LOVE『ゼロセット』:田島貴男のソロユニットオリジナルラブ。これはもう解散なんてことはありえないし、彼自身のガッツがある限り永遠に続いていくことでしょう。そのガッツの現れみたいなこの曲、大好きです。このレビュー、概ね好評だったみたいなんですけれど、ある方(誰かわかりませんが)からは「アーチストへの敬意がまったく感じられない」とお怒りの言葉をいただきました。いやあ、敬意しかないレビューだったと思ってたんですけれども、いろいろな解釈をされるものです。もちろん、これまで以上に敬意を持ったレビューを心がけていきたいと思っております。


 今年も暑かったですね、夏。でも昨年が39度以上を5日間連続とか有り得ない猛暑だったためか、暑い暑いと口にするほどじゃないのかなという気分です。なにかが麻痺してますね。
 さて、今月は亡くなったアーチスト、解散したアーチストがマンスリーランクに入ってきてました。8月はランキングに入ってはいないものの、12年活動してきたバンドを解散させた後にソロで復活したアーチストを紹介したり、ソロ活動してきた人がバンドを始めてたのを紹介したり。長いことレビューしてるといろいろな傾向が出てきますね。もちろん何をレビューするのか、どういう順番でレビューするのかは各レビュアーが決めるんですけれど、やはり基本はアーチストとMVなので、結果的に音楽シーンの何らかの傾向がこういったレビューサイトにも出てくるのかもしれません。

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(大島栄二)