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『End Of The Summer』
 スーパーカーが90年代後半に颯爽と顕れた印象を彷彿とさせるシューゲイザーと歌謡性を折衷しながら、少しずつ過ぎゆく青い想いと若さゆえの無為、倦怠感を刻印したような言葉を乗せて、音空間を游泳する―そんな、ささやかな感傷さえこのMVを観ていると、よぎりもする。そして、全体を包み、暈かす北野武の映画の一部に見受けられるような独特の“ブルー”は切ない。このフィードバック・ノイズが止まない間は、水面を撥ねる光も、なんとなくずっと夏も終わらないような気分も、喉が渇いて、自販機で飲み物を買ったときの他愛ない瞬間も昇華されてしまうのかもしれないその中でメンバー三人の残像が揺れるさまはどんな世代でも感じる何かがあるのではないか、とも思う。彼らは、名古屋を拠点にする3ピース。こういったシューゲイズ色の強いサウンドからギター・ロック、ニューウェイヴ、ポスト・ロック調のものなど若くして幅広い音楽性を持っているが、どこか不安定なまっすぐさが筆者にはどれも眩しく映る。音楽を聴くことはふと、季節や記憶が巻き戻される。それは悪いことではなく。
(レビュアー:松浦 達(まつうら さとる))
 


   
         
 


 
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