コアラモード『Hello Hello Hello』 Next Plus SongHB『しゃべりすぎた夜は』
中井智弥
『花のように』
 近年の異常気象のせいもあるのか、なにかと季節感が変になってしまうようなときは四季やその侘び寂びを踏まえた音楽を聴いて、感覚を戻すことがある。日本には、古来から連綿と続く和楽器、三味線や琴などがあり、奏者が伝統を受け継ぎ、そういったものの音色は何物にも代えがたい美しい景色を浮かびあがらせてくれもする。箏(そう)・三絃・二十五絃箏演奏家にして作曲家の中井智弥の奏でる音楽には日本に居ても、ふと喪われてしまう和情緒と雅やかな美しさを感じる。多彩な試みを持った曲もあるので、それは気になったならば、ぜひとも他も確認してほしいが、この「花のように」の映像と曲から筆者は花鳥風月という概念の繊細な機微から春の桜、花見が毎年、待ち遠しくなってしまう理由などが自然と生まれてくる。今年も長い冬を越えて、色んな場所、状況で春を迎える人たちもいると思うが、せめて華やかに桜の季節になりますように。
(2014.2.21) (レビュアー:松浦 達(まつうら さとる))
 


   
         
 


 
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