Tame Impala『'Cause I'm A Man』 Next Plus Song図書館『最終電車』

エスクレッソン
『8月』

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 本当は線が細そうな声でシャウトするという表現には決意のような強い意思を感じてしまう。それはチャットモンチーが出てきた時にも感じたことで、この無名なバンドの歌表現にも強い意思を感じてしまう。本当のことをいうと、そこに強い意思があるのかないのかは実はあまり関係なくて、結果として聴こえた時にリスナーが感じられるかどうかだけが重要。こういう声はまず女性ボーカルであるということが必須の条件だと思う。エスクレッソンというバンドは埼玉県越谷市を拠点に活動中でまだまだ世の中に出るとか出ないという以前の状態なのだろう。だからよく使われる比喩でいえば原石のようなもので、磨かれることがなければ泥のついたただの石でしかなく、磨いてみたところでやっぱりただの石でしかない可能性も大きい。だが、磨く前から明らかにただの石でしかない原石とも違って、なんか、磨いてみたいな誰か磨かないかなと期待してみたくなる原石である。イヤまあそんなに輝かなくたって良いですよと言われたらそれまでなのだが、自ら磨かずとも、こんなのがいるんだと思って、3年後くらいに化けてないかな、そしたらまだ無名の頃から知ってたんだよオレってプチ自慢できるじゃないかと、そんな漠とした期待を持ったりすることも、音楽を鑑賞するひとつの楽しみ方であろう。昔なら足しげくライブハウスに通わなければ出会えなかった原石に、部屋に居ながらにして出会えるのだから、現代とは便利なものだな。
(※2018.1.31時点で動画が削除されているのを確認しました。レビュー文面のみ残しておきます)
(2015.8.6) (レビュアー:大島栄二)
 


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