Youth Lagoon『Highway Patrol Stun Gun』 Next Plus Songフィッシュライフ『三億円』

上北健
『クロス・ストリート』

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 ニコ動の「歌ってみた」から出てきたらしいよこの人。不勉強なのでニコ動でのムーブメントについてはそんなに知らないのだけれども、最近はニコ動で歌っている人が本当に多いらしい。で、歌っている人はやはり他で歌っている人が気になって、いろいろと見てみる。これ、ライブハウスで同じライブに出演した対バンをチェックするというのと多分同じ感覚なのだろう。ライブハウスだと一緒に打ち上げにいって仲良くなって、連絡先も交換してお互いのライブを見に行ったりする。そうすることで自分がライブをやる時のお客を確保するという経済的な活動でもあるのだけれども、結局自分もチケット代払って友人バンドのライブを見に行くのだから、自分のライブチケットを自分で買っているのと基本あまり変わらない。だから毎晩行くことは出来ず限界もある。でもニコ動だとチケットを毎回買う必要もなく、ネットにつながってさえいれば見られるので毎日だって気になる「歌ってみてる人」を見続けられる。タダだもの。んで、話題の歌ってみてる人がいれば日本中世界中のそういう人を見に行けるし、だから、ファンを増やしやすい、そういうことなのだろうかと想像してみる。そう考えると、ニコ動で「歌ってみた」人を見ている人の数が人口比的には少ないとしても、その界隈に確実に人がいるのであれば、ムーブメントも起こる。ましてや音楽業界のチャート上位の売上げ枚数が少なくなっちゃった昨今だから、そういう界隈の人気者がデビューすれば上位に行く可能性も十分にあるわけで、例えば米津玄師なども初音ミクとニコ動での投稿が圧倒的な人気につながっているし、最近の10代は何の違和感もなくニコ動を試聴している。表現をする場所、発表する場所、方法論などはもはや関係なく、良いものは良いものとして出ていける土壌が既に出来ているのだということを、こういうアーチストの人気を次々と目にすることで感じられる。もちろん、勉強不足の僕が知らないネクストブレイクアーチストもニコ動には蠢いているはず。あとはもう、良いものを作ること、それだけということなのだろう。
(2015.10.8) (レビュアー:大島栄二)
 


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