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Self-Portrait
『ライブハウスで逢えたら』

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 バンドマンが「ライブハウスで逢えたら」と歌うのはやわらかなお誘いだし、たった数分で起こせる奇跡というのもバンドマンが思っている自己の拡大解釈のようなものなので、そういう意味ではこの曲は音楽関係者としてちょっとだけこそばゆい気もしないではないが、ではバンドマン自身が「ライブハウスで僕らが歌っても、誰の心も照らせないよね」なんて考えてライブやっているんだったら、そんなライブは見たくないし、せめてバンドマンは全員「オレの音楽で世界を変えてやる」と微塵も疑うことなく心から信じていて欲しい。そういうバンドのライブしか見る価値はない。と考えると、この曲にこそばゆい気持ちをちょっとでも抱いた僕が間違っていたよ、すみませんすみません。このMVは大部分がライブハウスでの演奏歌唱シーンで構成されていて、いかにもライブハウスに行ってみましたという疑似体験ができたりする感じだけれども、僕はこれ、映像は消して曲だけを聴いてみて欲しいのだ。このシャウト。野太いサウンド。これが居酒屋の有線かなにかで流れてきたら確実にオオッと思う。ARBかイエモンか、何だこの曲はと思うだろう。そういうロックが好きな人限定かもしれないけれど、押しの強いボーカルだなあと思うし、間奏で披露されるギターソロもリフもリズム隊の低音も、全部硬派なロックバンドとして十分な力を持っている。今は音源よりもライブで音楽という体験が増えてきているという時代のようだけれども、ライブパフォーマンスと音源は実は別モノで、彼らのようにサウンドのみで十二分に光り輝ける価値のあるバンドには、もっとサウンドだけで出会える機会が増えるといいのかなあとはちょっと思う。いや、ライブハウスで逢いたいのだから、ライブにみなさん行った方が良いのかもしれないけれども、目を閉じて音源だけを聴くということも、やはりいいですよ。
(2017.7.27) (レビュアー:大島栄二)
 


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