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プピリットパロ
『p.s.』

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 抜けのいいツインボーカルがとても心地良い。男女混声ボーカルの場合、どちらかが主でどちらかが添えもの的なバランスのバンドがけっこう多くて、それは男女の声量の違いだったり、戦略上女性ボーカルを前面に押し出していきたいという思惑などから自然とそうなっていく。その都合については聴いていればすぐにわかるし、だったら男女混声ツインボーカルなんて言わなきゃいいのにと思うのだが、結局その「男女混声」というフレーズが他のバンドとの差別化になると考えるのか、看板だけが虚しく響いていることはとても多い。このプピリットパロは本当に男女のボーカルがバトルしているように全力でぶつかっていて、その本気度が歌声に現れていて本当に心地良い。ベースボーカルのアマノカオリの声質は少しばかりハスキーで、だがそのハスキーさを突き抜ける声量がある。ボーカルの声を最大限にするためにレコーディングでコンプ系のエフェクターをかけることは多いが、コンプをかけ過ぎると声の微妙なニュアンスは潰れて人間味が失われることがあるのだが、このハスキーで突き抜けた声はちょうどコンプによって音圧を上げられた声のようなパワーを持ち、しかしながらコンプをかけすぎた結果ではないので人間味はしっかりとあり、聴いていて心地良い。旧い例えをするならば80年代に活躍したバービーボーイズのKONTAと杏子を思い起させる。声質もあの2人によく似ている。もちろん今の若い世代にとっては「バービーボーイズ?それ何?」であり、今のプピリットパロを楽しめばいいのだし、50歳代以上の音楽ファンなら、あの頃のバービーを思い起しつつ聴けばいいのではないだろうか。
(2018.7.16) (レビュアー:大島栄二)
 


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