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Fancy Girl Cinema
『Sunday』

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 日本人のバンドにとって英語詞ってどうなんだろうというのは個人的な結論の出ない永遠のテーマなのだが、それは、なぜ英語で歌わなきゃいけないんだそれ、というようなテイストの英語でしかないケースがあまりにも多いからなんだろうと思う。昨今は日本では洋楽があまり聴かれていないそうで、まあもともとそんなに売れてなかったと思うけれども、ビートルズやストーンズ、マイケルとかホイットニーなどの世界的スターがたくさんいた時代ではなくなっているというのがその理由でもあると思う。それに世界に打って出たいというのももはや主流ではなく、内向きな世情も影響しているのだろう。そういった話はともかく、英語で歌を歌うっていうのを結論の出ないテーマと考えているのは、英語詞だからすべてを否定する気にはなれないから。ほとんどのバンドが「お前それ発音ヘンだぞ」とか「文章としておかしくないか」というオリジナル歌詞を歌ってたりするのだが、時々稀にすんなりと聴ける英語詞バンドがある。このFancy Girl Cinemaもそんな感じ。英語詞がイイ感じに聴けるかどうかというのは、別に発音が正確とか流暢とかはあんまり関係ないんだろう。それで聴ける歌になるのであれば、普通に日本語を話している日本人なら全員日本語詞の歌を歌えるということになるはずだが、当然そんなことはなくて。桑田佳祐のように日本語としてどうなのという歌い方をしていても歌としてはとてもイイ感じに仕上がったりもする。Fancy Girl Cinemaの英語詞はなぜイイ感じに聴こえるのか。それを解明しようと思って聴き返したらいきなり冒頭から日本語。あれれ、結局英語詞ってサビの部分だけじゃないか! 最初に聴いた時の印象がサビに特化していたのかもしれないが、そんなことってあるよね。英語詞のところも日本語詞のところも、南国の湿気を帯びた空気が絡みつくように、耳に絡みついてくるようなねっとりとした歌と、ベースの粒が揃ったリズム隊が生み出すまとわりつかないサウンドの組み合わせがとても心地良い。
(2018.7.17) (レビュアー:大島栄二)
 


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