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オールドタイマー
『Jelena』

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 懐古系シューゲイズというらしい。シューゲイザーというのはどんなジャンルだと一言でいうのは難しくて、彼らのは結構ポップ方向に振り切れているなあと思う。とはいってもいわゆる普通のポップとは違うということは聴けば解るはず。ポップというのはかなりダイレクトに心を締め付けたり感情を揺さぶりにくるタイプの音楽であることが多いけれども、このシューゲイザーなポップでは音楽と心の間に靄のようなものがかかっているようで、ダイレクト感がかなり薄い。もしかするとシューゲイザーという音楽の本質はそういうところにあるのかもしれないという気さえする。靄がかかるような、浮遊感というか、幽体離脱的な浮世離れ感。確かなビートがあり、ビデオにもメンバーたちが代わる代わる顔をさらしながらも、本当にこの人たちは存在しているんだろうか、このビートはどこで鳴っているんだろうかと、不思議な想いに駆られる。それは遠い印象の音楽を聴くことで、自分の足元の確かさを感じるということにつながるのだろうか、それとも遠いところに引き寄せられる自らの浮遊感を体験することになるのだろうか。きっと答えなんかはないのだろうけれども、聴いていて玄妙な気持ちになっていくことは確かだ。
(2016.8.26) (レビュアー:大島栄二)
 


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