2018年のmusipl.comでの4月アクセス数上位10レビューはこちら!


 
1位 おかありな
『imadakekoibito』
 この曲はおかありなが嘘の無い心の内を吐露するような内容で、それ故にピュアだし、聴いててドキッとする。奏でられるギターの音がとてもクリアで、曲の舞台となる冬の朝の清々しさと、彼女の心の背景のような空間をよく現している。この感じは、前野健太の朴訥さにも似ていて、こういう正直に感じさせる罠のような世界観を好きな人たちはたくさんいるのではないだろうか。シンプルでチープなビデオも… (レビュアー:大島栄二)
 

 
2位 おかありな
『スカートの中』
 会いに行けるアイドルという言葉が持つ距離感は、アイドルに会いたい人たちに希望を与えたと同時にアイドルになりたいと願う人にも希望を与えたのだろうと思う。だがそんな会いに行けるアイドルたちが大きくなってしまったらまた会うのも大変になってしまうわけで、当然なるのはもっと難しくなるわけで、時折テレビに映る集団で踊っている姿を見ると「もう48人じゃないでしょそれ!」って、誰もが暗黙のうちに… (レビュアー:大島栄二)
 

 
3位 もるつオーケストラ
『ムーンライト』
 この人たちは音楽を知っているよな。音楽を知ってるといっても学術的に知識が豊富とかではなくて、音楽の力と、その力が最大限に引き出されるための方法といったような、そんなこと。ポップミュージックはだいたいにおいてAメロ→Bメロ→サビみたいな構成になっていて、それは基本中の基本なので作る人はほぼ100%そういう構成を踏まえて作る。そのメロディが変わる「→」のタイミングで、メロディが変わる以上… (レビュアー:大島栄二)
 

 
4位 長靴をはいた猫
『勿忘草』
 なんかスゴイなこの情念の固まりって感じの曲。シンプルな言葉が連なる歌詞の破壊力というか、こんなに想われるとちょっとキツいなという感じもあるが、じゃあ本気の好きっていうのは概ねこんな感じのはずで、そういう意味では情念の固まりというよりは、ピュアなLOVEとはこういうものなのかもしれない。そういうピュアな歌をどういう声と演奏がさらにピュアに聴かせるのかと考えていくと、こういう声と演奏に… (レビュアー:大島栄二)
 

 
5位 柴田聡子
『いきすぎた友達』
 淡々と語るというよりもつぶやく、つぶやくというよりもまるで棒読みのようなこの歌のインパクト。そうだ、これはお経だ、葬式の時にだけ耳にするお経なのだと勝手に思う。ありがたい教えが込められているはずなのにどうしてあんなにお経というのは眠たくなるんだろう。それはあまりに淡々と言葉が羅列されているからだ、とこれまた勝手に思う。意識して聞くとお経はお坊さんによってまったく違っていて… (レビュアー:大島栄二)
 

 
6位 アナトオル・フランス
『もうだめだ/OK』
 ダメ人間には2種類あって。ひとつはその人なりに頑張ったつもりで社会的には成功したつもりで、それなのに哲学とか正義とかそういうものが最初から欠落しているために自分の悦楽のみを追求してしまうので周囲に害悪を撒き散らす人。もうひとつはいろいろと考えて考えて読んだり学んだりした結果、すべてのことが虚しくなって生産的活動を停止した人。いや待てよそれじゃないダメ人間もいるだろうと思ったあなたは鋭い… (レビュアー:大島栄二)
 

 
7位 yound
『ぼくらはゆく』
 オルタナティブとかシティポップとか、なんとなく解るなあ的な言葉がジャンルとして使われたりするし、そういうのは見知らぬリスナーと無名の音楽の橋渡しとして重要なんだけど、実際に暖簾をくぐって音楽に接したら、もうそんなことはどうでもいい。接した音楽がたいしたことなくて、それをどう評価すればいいんだと悩んでいる時にはジャンル言葉の出番だが、マニアにはパッとしない音楽であっても理解しようと… (レビュアー:大島栄二)
 

 
8位 popoq
『melt』
 夢を見続けることはそう簡単ではない。  ファンタジーの世界では、眠り続けなければならない。  リアルの世界では、誰かの言葉に振り回されたり、自分を曲げることさえも許されない。時として、それは努力することさえも才能であると称するように。  彼らを一躍世に広げた代表作「flower」は前者であり、前作「siesta」は中立であり、今作「melt」は後者である。  何もかもが綺麗で曖昧に見える時は、何かを望むことを… (セルフレビュー)
 

 
9位 快適な暮らし
『独りで歩く午後』
 冒頭のハミングコーラスだけで引き込まれる。快適な暮らしというバンド名でも引き込まれる。快適な暮らしという割にはハミングコーラスの最後のメロディラインがとても不安を呼び起こすようなもので、一旦引き込まれた気持ちがつかまれる。その後の展開で特別なことが起こるとか歌われるとかではなく、淡々と進んでいく曲。演奏もギターとベースだけのストロークもない単音引き、ベースコードのループと… (レビュアー:大島栄二)
 

 
10位 ナキシラベ
『ao』
 最初、女性ボーカルかと思った。HPのトップにあるアーチスト写真の中央には女性の姿があって、だから紅一点の女性ボーカルを据えたよくあるメンバー構成だろうなと思ったし、それでこの声。でも、完全に誤解でした。とても良い声。聴く人によって好みはあるだろうけれども、とても良い声。エレキギターやキーボードなどアンプから音を出す楽器は途中のエフェクターなどによって細かく音の調整をするが… (レビュアー:大島栄二)
 

 
次点 荒牧リョウ
『輝いて』
 力強い歌。こういう歌が野外のステージでパフォーマンスされている。歌の背景でロカビリーのリズムが薄らと入っているのが聴こえる。複数のステージで同時並行的にパフォーマンスが行なわれる形の野外フェスのようなものでのパフォーマンスだろう。それぞれのステージにどのくらいの人が集まっているのだろうか。もちろん各アーチストの知名度などで違ってくるのだろうが、「東京から来ました」と言っている荒牧が山形で… (レビュアー:大島栄二)
 

 
編集長コメント

1位 おかありな『imadakekoibito』& 2位 おかありな『スカートの中』:2月3月に引き続き連続の1位。ただし、1位は入れ替わっていますので、果たして連続1位と言っていいのでしょうか? いいんでしょうね。なので多くは語りませんが、こうやって自分でもこういう現象を楽しむアーチストと、支えて応援してくれるファンの方々によって、アーチスト活動というのは成立するんだろうなあと本当に思います。他のアーチストやそのファンの皆さんも、負けないように頑張ってもらいたいものです。

3位 もるつオーケストラ『ムーンライト』:良い曲ですね。彼らの他の曲がネタっぽい特徴をもったものが多くて、そういうのから目立って知名度を上げてというのは良い戦略だと思います。その上でこういう曲があったら、素直にファンになれるなあと思います。まあ戦略とかなんとかそんな業界用語的なことはともかく、良いバンドのことを支持する人が多いというのは普通に嬉しいことでした。

6位 アナトオル・フランス『もうだめだ/OK』:このバンド、独特の雰囲気に満ち満ちていて、曲に一切の美化や隠しごとが無くて、引き込まれました。こういうの大好きだし、でもきっと普通のリスナーで形成される大多数の意見の中では埋もれてしまうと思うし、彼らが大多数の意見の中で大絶賛されるようなシーンってどこか不健全だと思うし、だから、ちょっとだけひねくれた僕のような人間が「これイイぜ」と言ってるくらいがちょうどいいのかなとか思っていたら、けっこう支持されてて、微妙ですけど嬉しかったりします。

7位 yound『ぼくらはゆく』:福岡のバンドyoundが7位に。とっても良かったです。MVというと、これけっこう金かけたなというようなものも最近は多くて、まあそれは普通人が手に入れられる機材がずいぶん高機能になったということもあるわけですが、それでもすごいなというMVは多くて、そんな中で彼らの手作り感に満ち満ちたこういうMVでも、楽曲が良ければ十分なんだよなあということを再認識させられた気がしました。

8位 popoq『melt』:セルフレビューからの久々のマンスリーランクイン。僕もけっこう隅の隅までチェックしているような気でいますが、まだまだミュージシャンはたくさんいるし、こうしてセルフレビューからランクインしてくると、もっともっと発掘せねばという気持ちで一杯になりますね。

9位 快適な暮らし『独りで歩く午後』:歌ものバンドやインストバンドはたくさんいますが、彼らのようにハミングだけで心地良くさせてくれるバンドというのはそうそういるものではありません。いや、ちゃんと歌を歌ってますけどね。ハミングだけで成立する歌唱表現ならば、言語の壁を超えて世界に羽ばたくのも夢じゃないよなあなんてことを考えてみたりしました。いや、歌をうたってるんですけどね。

 今年の春は異常気象なのか、暖かくなるのが本当に早くて、4月に入ったら満開の桜でお花見したいなあと思っていたら4月にはもうほとんど散り始めということで、4月に京都に遊びにきてくれた知人にも桜を堪能させてあげられず、ちょっと残念でした。花は季節によって見頃も違うし、見頃は本当に短い。バンドもそうだよなあという気にさせられます。ちょっと前に活動していたはずのバンドが、気がついたらHPのリンクも死んでいて、Twitterアカウントも閉鎖されていて、ということが最近多かったです。学生でバンドやってる人が卒業を機にそれぞれの道に進んでいったりする事情もあったのでしょうか。まあ卒業で活動注視する音楽活動にウォッチする価値があるのかどうかという問題はあるわけですが、職業としてやっている音楽だけが素晴らしいということでもないわけで。なので、みなさんもそのバンドが存在している間にちゃんと見て聴いて、評価してあげてくださればと願ったりしています。

 というわけで、musipl頑張ってますので、皆さん今後ともよろしく。アーチストの皆さんは、
セルフレビュー】(自分でレビューを書いて投稿!)
ディスクレビュー】(あなたのCDを郵送で送れば、ディスクレビューいたします!)
広告出稿】(新譜発売やツアーなどの情報を宣伝しましょう!)
musipltune(配信)での配信開始】(音源をiTunesやSpotify配信で全世界に発信!)
musiplレーベルでのデビュー】(音源をCDプレスと全国流通で格安にリリースできます!)
といった。サービスを是非ともご活用ください!お待ちしております!

(大島栄二)