2019年のmusipl.comでの1月アクセス数上位10レビューはこちら!


 
1位 GRAPEVINE
『Alright』
 ホーン・セクションの華やぎ、問いを投げかけるような歌詞の下でうねるグルーヴ。ポップネス、そして、フェイセズ、ストーンズ、ウィルコなどから通じるブルージーな重さと、どこか乾いたサイケデリックな音像。今では珍しくなったほどの”ロック・バンドとして”の音。細部や余計な御託を抜きに、GRAPEVINEとして、そして、今の時代に聴くべきひとつの曲としても「Alright」はとてもいい。多幸感と軽快さが… (レビュアー:松浦 達
 

 
2位 RETO
『Restart』
 これまで3度レビューを紹介してきたRETO。彼らの作品の深さやMVとの関係性、アイディアの卓抜さなどに惹かれて「紹介しなくちゃ」と何度も思わされたのだが、そういう彼らも現役のバンドであって、当然のようにライブはしているはずだったのに、そのことにまったく思いを致すことがこれまでなかった。バンドがリスナーに情報を届けていく端緒としてYouTubeというものが重要な位置付けになっている時代にMVを洗… (レビュアー:大島栄二)
 

 
3位 Absolute area
『遠くまで行く君に』
 大切な人が去っていく。去っていくのではなくて遠くに行く。だからきっと帰ってくるのだ。そう思いたくともほとんどの場合、遠くに行く人は帰ってこない。共有していた時間や記憶は連続しているから共有なのであって、一旦途切れるともう記憶でしかなくなる。それでも、遠い先での幸せを祈る。祈ることで、こちら側の記憶を途切れさせないようにと願うのだろう。… (レビュアー:大島栄二)
 

 
4位 田川伸治
『スワロウテイル feat.山﨑和也』
 何度聴いてもひっかかるのは、「誰かのために生きてきた」という歌詞だ。この国には誰かのために生きるべしという呪縛がかけられている。子は親のため、親は子のため。自己犠牲をして社会に貢献せよ。耳ざわりはいいかもしれないが、それは戦時中の国のために死ねという狂気と決定的な違いなどない。もちろん人間は社会的な生き物だし、誰かと助け合わなければ生きていくことは難しい。誰かに助けてもらうのなら… (レビュアー:大島栄二)
 

 
5位 十四代目トイレの花子さん
『暁(akatsuki)』
 Xがなんだこりゃと言われていた時代を覚えている。『WILD ANTHEM』は卒業式の入退場のテーマだった。XがX JAPANになった日はピンとこなかったけど、極彩色の毒蛾からラメ入りの黒揚羽に変身した姿に心酔。その後、色々あって今だ。仕事の打ち合わせで「分かりやすさが売り物の価値だ」と言ったら、帰り際、離れた席の人が寄ってきて「あれは『MISCAST』ですよね」と、そういう瞬間を社会の大海原で… (レビュアー:北沢東京)
 

 
6位 ピロカルピン
『京都』
 この曲はピロカルピンのインディーの1枚目に収録された彼らの代表曲で、京都を訪れた時の心象風景を表現したものだという。そのことを象徴するように「大切なものは目には見えないものです/だからしっかりと心に刻みます」と歌っている。秋口の京都の風景がSNSの京都コミュニティーにたくさん投稿され、紅葉の名所の目に鮮やかなもみじの赤い色が美しい。だが実際にその場所に行ってみれば紅葉の葉はそんなに… (レビュアー:大島栄二)
 

 
7位 kee
『セイグッバイ』
 こういう声をどんな言葉で表現すればいいんだろうか。アニメ声、声優声、スーパーハイトーン、どれも違う気がする。HPでは「SNSで話題の天使の歌声」と書いてあるけれどそれも違うと思う。ピッタリの言葉なんてきっと無くて、どれも「そんな感じだよね〜」という人と「ちょっと違うよね〜」という人がいるのだろう。だったらそんなピッタリの言葉なんて探しても無駄で、ここでは高い声質とだけ触れておきたい… (レビュアー:大島栄二)
 

 
8位 JUJU
『メトロ』
 美しい。何もかもが美しい。JUJUの歌。小松菜奈の小顔。映像もサウンドメロディも美しい。が、それ以上に詞の世界が描く光景がとても美しい。簡単に変われない自分が嫌い。その自分が変わるきっかけがメトロのパスなんて、そんな単純なものじゃないだろうと思う自分と、いやその通りだと思う自分が同時にいるのを感じる。私事だが、先月体調を崩していつも乗っている自転車禁止令が出て。仕方なく1ヶ月のバス定期を… (レビュアー:大島栄二)
 

 
9位 マイアミパーティ
『つれづれ』
 聴いた瞬間に、声がいいな、と感じた。よくよく聴き返せばこれをいい声だと断言した理由が何なのかよくわからなくなってくるのだが、声楽の人のような澄んだ声とは対極にあるような歌声なのだが、でも直感でいい声だなと思ったし、理由がよくわからなくなった今でもいい声だと断言できる気持ちに変わりはない。しかし理由がわからないではただの素人の投げやりな感想に過ぎない。まあ音楽を好きであることに… (レビュアー:大島栄二)
 

 
10位 遠藤理子
『午前3時』
 仙台に拠点を置く17歳の遠藤理子の歌は、何故こんなにも刺々しいのか。歌詞の言葉ひとつひとつがネガティブで、ネガティブが重ねられた世界はなぜか清々しい。それはそこに嘘が無いからだ。誰もが日々の美しい画像を切り取ろうとスマホ片手に必至で、インスタ映えと言っては友人に披露する。その嘘を重ねた写真群は確かに美しいが、その美しさに一部の人は心を病む。病ませる美しいエッセンス… (レビュアー:大島栄二)
 

 
次点 神楽ファミリア
『劣等』
 キレのある音楽を聴くのはとても心地がいい。たとえその音楽が表現しようとしている世界観がダークでネガティブなものだとしてもだ。だから当たり前のように、ポジティブでポップで誰かの背中を押してくれようとするような音楽であってもキレのない音楽を聴くのは心地悪いものだ。神楽ファミリアという名のバンドが『劣等』という曲を奏でている。何が嬉しくて正月早々に劣等なんていう曲を聴かなきゃいかんのだ… (レビュアー:大島栄二)
 

 
編集長コメント


 というわけで、2019年の始まりです。musip今年も頑張りますので、皆さん今後ともよろしく。アーチストの皆さんは、
セルフレビュー】(自分でレビューを書いて投稿!)
ディスクレビュー】(あなたのCDを郵送で送れば、ディスクレビューいたします!)
広告出稿】(新譜発売やツアーなどの情報を宣伝しましょう!)
musipltune(配信)での配信開始】(音源をiTunesやSpotify配信で全世界に発信!)
musiplレーベルでのデビュー】(音源をCDプレスと全国流通で格安にリリースできます!)
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(大島栄二)