白波多カミン
 
『姉弟』
 スタートの1つをツンと倒して、ドミノがさーっと倒れていく一直線は蛇の様だ。1つが2列を倒し、太い川になり枝分かれ、立体交差。ある支流は電動装置のスイッチになる一方、本流は記録更新を目指して進む。ドミノ倒しのテレビを見ながら、バトンタッチだなと思った。1個が役目を果たすのはほんの一瞬。次のドミノをカチッと鳴らす役割を子どもをつくって死んでゆく事と見立てれば、美しく倒れた軌跡を振り返るのは、命の歴史の振り返り。命のバトンを……
 
  (レビュアー:北沢東京)  

 
『くだもの』
 やわらかなクセのある歌。ギター弾き語りで訥々と歌う白波多カミンの姿には何かキレてる病みを感じます。闇というより病み。いや、完全に僕の先入観ですけどね。この曲のPVはかなりよく作られていて、まるでアイドルか女性J−POPという風情ですが、きっとこのライブ映像の方が本人の素に近いんだろうという気がします。CDをリリースしているのがノイズミュージックで有名なアルケミーレコードですから、多少の病みがあった方が納得するなという……
 
  (レビュアー:大島栄二)