2018年のmusipl.comでの6月アクセス数上位10レビューはこちら!


 
1位 スターダスト☆レビュー
『木蘭の涙』
 スタレビは間違いなく昭和から平成にかけての日本を代表するバンドだ。ファン層もどちらかというとおとなしい大人が多く、サザンやBOOWY、ミスチルといった「派手」なバンドとは立ち位置を異にするけれども、その実力はシーンの中での地味さとは裏腹に日本のトップだと言っても過言ではない。この木蓮の涙は彼らのナンバーでも傑出した代表曲で、いつ聴いても心に響く。生き様がロックなバンドとは違うので… (レビュアー:大島栄二)
 

 
2位 クアイフ
『さよならライアー』
 クアイフがどんどん変わっていく。そりゃそうだ、誰だって変わっていく。変わることは悪いことではない。その変化の中でどれだけの確固としたものを手放さずにいるのかを知るためには、むしろ変わっていかなければならない。自分を知るということが、変わるということの本質であって、表面的に変わらないということこそ、過去の澱のようなものに浸って安住する、つまり逃げのようなものだ… (レビュアー:大島栄二)
 

 
3位 titilulu
『サイケデリック七変化』
 女性ボーカルのバンドは本当にたくさんたくさん腐るほどいるけれど、その中で頭角を現すっていうのにはいったい何が必要なだろうか。サウンドが良いとかルックスが良いとかインパクトあるとかいろいろ基準はあると思うけど、結局は勢いがあるということに尽きるのではないだろうか。2015年にメジャーデビューしたShiggy Jr.なんかも当時勢いあって、当時の他の同レベルのアーチストたちと何が違ってたのかって結局… (レビュアー:大島栄二)
 

 
4位 おかありな
『imadakekoibito』
 この曲はおかありなが嘘の無い心の内を吐露するような内容で、それ故にピュアだし、聴いててドキッとする。奏でられるギターの音がとてもクリアで、曲の舞台となる冬の朝の清々しさと、彼女の心の背景のような空間をよく現している。この感じは、前野健太の朴訥さにも似ていて、こういう正直に感じさせる罠のような世界観を好きな人たちはたくさんいるのではないだろうか。シンプルでチープなビデオも… (レビュアー:大島栄二)
 

 
5位 おかありな
『スカートの中』
 会いに行けるアイドルという言葉が持つ距離感は、アイドルに会いたい人たちに希望を与えたと同時にアイドルになりたいと願う人にも希望を与えたのだろうと思う。だがそんな会いに行けるアイドルたちが大きくなってしまったらまた会うのも大変になってしまうわけで、当然なるのはもっと難しくなるわけで、時折テレビに映る集団で踊っている姿を見ると「もう48人じゃないでしょそれ!」って、誰もが暗黙のうちに… (レビュアー:大島栄二)
 

 
6位 スムージチークス
『バースデー』
 誕生日は毎年くるけど、何でそんなに祝うのか。そもそも祝うってなんなのか。ちょうどその日が仕事で忙しいとか、体調が悪いとか、ツキに見放されたどん底の真っ最中とか、そんなことでも容赦なく誕生日はやってくる。忙しいのに時間割きたくないよ、おなか壊してるんだからケーキ食べたら重いよ痛くなっちゃうよ、そんな事情もあるだろう。もう永遠の20歳でいたいんだから誕生日とか祝えないよ… (レビュアー:大島栄二)
 

 
7位 SUKISHA
『4分半のマジック』
 ファンクだ。でもどファンクではなくて、ポップなファンク。30年くらい前に久保田利伸が出てきた時となんか似てる。日本でやっとロックバンドが市民権を得始めたあの当時の日本の若者に対して久保田のファンクが与えたインパクトと、現代のようにあらゆる音楽性が溢れている中でSUKISHAが与えるであろうインパクトを比較するのはあまりにも不公平な気がするが、今の人が30年前にタイムスリップする… (レビュアー:大島栄二)
 

 
8位 テンピエン
『夜、自転車と』
 イントロからギターの音がザラザラ、いやジャラジャラしてて、歌が始まると歌声もジャラジャラしているような気がしてくるから不思議だ。音質が良いのと悪いのとどちらが良いのかといわれればそりゃあ良い方が良いに決まっているけど、じゃあ何が良い音なのかと考え始めてもきりがなくて。音楽に大切な要素って音色だけじゃないし、きりがない音色追求なんてやっているうちに大切な時間はあっという間に… (レビュアー:大島栄二)
 

 
9位 SPANK HAPPY
『夏の天才』
 気付けば、日本語を忘れてゆく。もっと精緻に脈絡を足すと、日本語の雑さを忘れて、行間を愛でるようになった。行間に侘び寂びや無常観や、アイドリングがあるはずなのに、そこさえも埋め立ててゆく直截的な政治性を帯びた言い方に中る。だから、英語や仏語、更には独語、ウクライナ語をなぜか読んでいる。「言い切ったら負け」だったのはポストモダンの亡霊への忖度どうかとかではなく、幽玄さの中のいい加減さが… (レビュアー:松浦 達
 

 
10位 君がそうなら僕はこう
『集客ヤバイ節』
 もうね、大好き。最初のひと声が「SHUKYAKU!」ってシャウト。いや、それ集客だから。別にカッコよくないから。でもそれをカメラ目線で指差してシャウト。もうね、カッコイイ。歌ってる内容は「集客がヤバい」だけだから。この開き直り。すべてのバンドマンとスタッフたちが涙なくして聴けないですよ。どのくらいの集客であれば「ヤバい」のかはバンドによって違っているわけで、50人で満員のライブハウスなら… (レビュアー:大島栄二)
 

 
次点 山岸健太
『お金がないから君の街までチャリで行く』
 ギターの音に惚れる。このギターの音はなんだろう。画面を見る限りただのアルペジオだ。わかりやすくたくさん音が鳴る12弦ギターの効果みたいなものではないし、押尾コータローに代表されるスラッピングやタッピング奏法のようなものでもない。なのにこの心地良い響きは何だ。ギターが良いのか。ヘッドを見る限りマーチンだ。マーチンはたしかに良いギターだ。でもマーチンを弾けば全部こんな響きになるかというと… (レビュアー:大島栄二)
 

 
編集長コメント

1位 スターダスト☆レビュー『木蘭の涙』:スタレビ、ほとんどがバンド名検索で来てくれたんでしょうね。レビュー公開から7日間で月間1位、ダントツでした。有名バンドには分厚いファンの層があるということでしょうかね。いただいたリプライには「ライブ中の盛上がりぶりを考えるとおとなしい大人のファンというのはどうなんだろう」といった貴重なご意見もいただきました。ええ、確かにそうですけれども、ロッキンオンあたりに出てくるような、いわゆるロックバンドとはまた違ったという意味合いでの、アレですので、ご容赦ください。根本要さんも無事ご退院とのことで、それもリプライからの情報なので正確かどうかは判りませんけれども、ご無事でなによりでした。復帰ライブも盛上がることでしょう。

2位 クアイフ『さよならライアー』:クアイフ、前回のレビューではバンド名がアルファベットだったのが今回はカタカナということで、それも広く浸透していくためのひとつの方針なのでしょう。バンド名の表記なんて、というのは言い過ぎかもしれませんが、浸透するためにはこだわらなきゃならない優先順位としては最上位ではないことですし、まあ良いのではないでしょうか。今回のレビューをボーカルの森彩乃さんがTwitterで触れてくれて、レビュー面白いと。2年前のレビューで「笑顔がけっして笑っていない」と書いていたのを読んで笑っていただいたとのこと。レビュアー冥利に尽きます。ありがとです。こういう文章でマジ怒りモードで怒られることもあるので、笑っていただけるのがどれだけホッとするか。ええ、森彩乃さんサイコーです。またレビュー書いたりいたします。

3位 titilulu『サイケデリック七変化』:インディーズ枠では第1位と言って良いでしょうかね、titilulu。ティーティールールーって読むらしいですよ。これもアルファベット読みにくいですけど、じゃあQaijffをクアイフに表記変えたようにカタカナにすればいいのかというと、それもどうかなと。titiluluという文字の並びが美しくて面白いので、これをカタカナにするのはマイナスじゃないかなあ。まあ彼らもそんなことしないでしょうけどね。アルファベットのバンド名で100%読んでもらえるように有名になってください。スタッフさんからサンプルCD送っていただいたので、ディスクレビュー書きます。ちょっとだけお待ちくださいね。

4位 おかありな『imadakekoibito』:年明けからずっとマンスリーランキングの上位を独占していたおかありな、5月は全然アクセスなかったのでもうファンの皆さんもmusipl飽きちゃったのかなと思っていたら、ふたたびランクイン。5位の『スカートの中』と並んでランクインしています。しかし4位と5位では4月までの勢いと同じという訳にはいきませんでしたね。7月はまた上位目指して頑張っていただければと期待しています。

6位 スムージチークス『バースデー』:誕生日の歌は意外と無くて。クリスマスの歌なんてどんなバンドも作っているんじゃないかというくらいメチャあるけど、誕生日の歌ももっとあっていいんじゃないかなあと思います。クリスマスの歌だって、山下達郎のアレが出るまではほとんど無かったのだから、誕生日の歌も何かのきっかけがあればみんな作るんじゃないかなあと。スムージチークスのこの歌、とてもいいと思います。とにかく明るく盛上がるというのが、誕生日ソングにはとても重要なポイントだなあとあらためて思いました。

8位 テンピエン『夜、自転車と』:奄美大島出身の兄弟を中心にした離島系ロックバンドが8位にランクイン。でも現在は東京で活動中とのこと。気分としては離島からロックの風を送って欲しいところですが、活動を考えたらそういうわけにもいかないのでしょうね。ええ、東京に拠点を移しているのであれば東京に骨を埋める覚悟で頑張ってください。彼らの真剣を絵に描いたような目つきがロックだなあと気に入っています。



 というわけで、musipl頑張ってますので、皆さん今後ともよろしく。アーチストの皆さんは、
セルフレビュー】(自分でレビューを書いて投稿!)
ディスクレビュー】(あなたのCDを郵送で送れば、ディスクレビューいたします!)
広告出稿】(新譜発売やツアーなどの情報を宣伝しましょう!)
musipltune(配信)での配信開始】(音源をiTunesやSpotify配信で全世界に発信!)
musiplレーベルでのデビュー】(音源をCDプレスと全国流通で格安にリリースできます!)
といった。サービスを是非ともご活用ください!お待ちしております!

(大島栄二)