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サマーソニック2015の歩き方(千鳥足編)

 文=夜鍋太郎


<悩ましいトリ問題>

 各ステージのトリもまた悩みどころだ。どれを見るべきか、大いに迷うこと必至だ。

 まず何と言っても、ヘッドライナーのPharrell Williams。メインステージを埋め尽くすであろう観客と共に、最高に楽しい空間を味わうことができる。ヒット曲の乱れ撃ちで、確実、完璧に、テンションが上がりまくるはずだ。数々のプロデュース曲を含め、セットリストのどの部分にも外れなしどころか、大当たりしかないような構成になっているので、ファレルを選べば、まず間違いない。

 

Pharerell Williams「Happy」

 

 MEWもこのタイムテーブルでさえなければ、是非とも見たいところだ。新作「+-」もすばらしかったので、これはライブも期待できる。ファレルのステージに流れない熱心なオーディエンスと共に、一体感を持って楽しむことができるに違いない。

 

MEW 「Satellites」

 

 そして、何より、D’Angelo。これは伝説を目撃できるチャンスなので、興味がなかったとしても、絶対行くべき。行くべき、である。衝撃的な復活を果たした、昨年のアルバムを聴いたら、まあ、行かずにはいられないだろう。タイムテーブル的には、ファレルの終演後にかけつければ、途中からでも、その奇跡に立ち会うことができるはずだ。好みやお目当ての違うオーディエンスが最後に集まり、溢れ返ったマウンテンステージでサマーソニック2015の終演を迎える、というのもすばらしい思い出になるだろう。この新たな伝説となるラストの余韻を味わいながら、2日間のそれぞれのシーンを思い返し、わたしはきっとちびっている。

 

D'Angelo, The Vanguard「Really Love」

 



<存分に楽しむために>

 結果、終始ちびりまくりの予定ではあるが、あまりにちびるちびる言いすぎて、ちびるのゲシュタルト崩壊が起こっている。もちろん、この場合の、ちびる、とは心の涙のことである。今さら言われても、皆さんもお困りだろうが、何しろ、この2日間は、心の涙腺が崩壊しまくって、びちゃびちゃになっているはずだ。全身の水分はなくなり、からからに干からびてしまうだろう。そうならないように、こまめに水分(主にビール)を取りながら、体調に気をつけて、サマソニをめいっぱい楽しみたい。今回、紹介できていないアーティストもまだまだいるが、予定とは違うものを見て、結果それがベストアクトだった、ということもあり得る。というか、それこそがフェスの醍醐味だ。改めて、今さらなことを言うが、ここで書いたこと、事前に予習したこと、一旦、全部、忘れてしまおう! わたしも、忘れる!

 皆さんも、どうか体調管理を心掛けて、どこからかじっても、どこを味わっても間違いない、今年のサマソニを共に楽しんでほしい。さあ、会場で一緒に、ちびりまくろう!!


 
 

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2015.8.5.寄稿