LINEで送る

サマーソニック2015の歩き方(千鳥足編)

 文=夜鍋太郎

 今年のサマソニはやばい、やばすぎる、と春先から周囲に言い続けてきたのだけれど、まだまだ言い足りず、この度、こうした特集を書かせてもらうことになった。とは言っても、1リスナー、1参加者としての視点と好みから、いかにSummer Sonic2015を楽しむか、どこで何を見ようか、という超個人的な内容でしかないことをお断りしておきたい。オフィシャルガイドや各誌の特集などとは違う観点で、ご覧のどなたかにでも(偏った)ガイドのひとつとして捉えてもらえれば、幸いである。

 尚、東京会場を想定して書いているので、大阪会場へ行かれる方は、タイムテーブル、ラインナップ等を見比べて、確認していただきたい。



<サマソニ=ジョンスペ説>

 サマーソニックとは何か? と問われれば、ジョンスペである、ジョンスペのためのフェスだ、とわたしは断言する。これは第一回のヘッドライナーが誰なのか、サマソニの原点は何なのか、ということに尽きる話であり、大げさに言えば、サマソニとはジョンスペをめぐるフェスなのだ、と超偏見を持って言わせていただきたい。初回以降も何度となく出演してきているが、今年もジョンスペはやって来る(東京15日ソニックステージ)。これを見ずに済ますことができようか。初日のメインとなるのは、当然、The Jon Spencer Blues Explosion(JSBX)である。

 今さら言うまでもないことだが、ジョンスペと言えば最強のライブバンドで、その圧倒的パフォーマンスは維持されつつも、今や円熟の境地に達している。今年発売の新譜も最高だった(musiplのレビューでも取り上げさせてもらった)。新譜とかつての名作名曲がどのように融合した、ファンクかつブルーズ!!!! なライブになるのか、非常に楽しみだ。尾籠な表現で申し訳ないが、あまりの期待にちびってしまいそうだ。

 

The Jon Spencer Blues Explosion「Gadzooks!」

 



<サマソニにケミカルが初登場>

 ジョンスペ以外で15日に見たいのは、やはりヘッドライナーのThe Chemical Brothers。ケミカルと言えば、フジロックのイメージが強いが(何しろ、フジのライブの模様を収めた映像がリリースされているほどで、わたしは今この原稿を書きながら、それを観返している)、サマソニで、しかもスタジアムで、どのような体験ができるのか、楽しみでならない。これは単純な比較うんぬんではなく、また新たなケミカルのライブの魅力を知る機会になるのではないだろうか。映像や演出も含めて、期待大だ。期待しすぎて、それはもう、ちびりそうだ。

 

The Chemical Brothers「Star Guitar」

 



<マニックスの再現ライブ>

 ケミカルとのタイムテーブル被りがなければ、是非見たいのが、Manic Street Preachers。わたしはマニックスのアルバムの中で「The Holy Bible」が一番好きなのだが(同意してくださる方も多いだろう)、その再現ライブがソニックステージのトリで見られる。その上、「The Holy Bible」以外の名曲も披露してくれるはず。なんという贅沢さ。被りに悩むことこそフェスの醍醐味、と言えるかもしれないが、これはあまりにも酷である。辛すぎる。わたしは当日ぎりぎりまで悩むだろう。もしも見ることができたら、感涙にむせびつつも、やっぱり、ちびっちゃうだろう。いや、もんもんと悩んでいる時点から、ちびってしまうかもしれない。

 

Manic Street Preachers 「You Love Us」

 


<ソニックステージがやばい>

 
 

    記事トップへ戻る