2016年のmusipl.comでの8月アクセス数上位10レビューはこちら!

 
1位 HOWL BE QUIET
『A.I.』
 静かなバラード。こういう声はバラードで何かを炸裂させる力を持っているのだと思う。バンドがライブを行なう時にずっと盛上がる曲ばかりというのも味気ないし、かといって全曲バラードではエネルギーが不完全燃焼になってしまって観客にモヤモヤとしたものが残ってしまう。適度に盛り上げ適度に息をついてもらって、決めるべきところではバラードで心をギュッと鷲掴みにする、黄金のセットリスト構成というものがあって… (レビュアー:大島栄二)
 

 
2位 石野卓球
『Rapt In Fantasy (Radio Edit)』
 巷間のEDMや即効性、ダイレクトな諧謔に反して、電気グルーヴの石野卓球の久しぶりのソロ作はいわゆる、エロティック、蠱惑的なという惹句ほどでもなく、ただ、滑らかにハウス・ミュージックの元来の良さ、ダイバーシティ・インクルージョンにおけるLGBTの意味の内奥をもしなやかになぞる。このMVのモティーフも幾つかの示唆がダダやシュールレアリスモ的だったり、なんとなく今の世にはアブストラクトなものが… (レビュアー:松浦 達
 

 
3位 Suchmos
『MINT』
 音楽はカルチャーであるよなあ、ということを再認識させてくれる。そういう音楽は実はそんなにたくさんは無い。昔々にそんなにジャンルというものがなかった時代… (レビュアー:大島栄二)
 今の「都市」はこのMVのように、さまざまな要素のカット・アップの末に成り立つ意味で違う。レコード・ショップ、歩道橋、電車、イヤホン、メンバーの残映。グループながら… (レビュアー:松浦 達
 

 
4位 toddle
『Branch in the Road』
 toddleを率いる(?)田渕ひさ子は元NUMBER GIRLのギタリストで、だからいつまでも何をやっても「元NUMBER GIRL」の説明がついて回るのはもう仕方が無い。それは氷室京介や布袋寅泰がどんな活動をしたとしても「元BOØWY」といわれることから逃れられないみたいなもので。氷室や布袋のソロ活動が両方とも「元BOØWY」を彷彿とさせるものであることとは対照的に、「元NUMBER GIRL」の… (レビュアー:大島栄二)
 

 
5位 オールドタイマー
『Jelena』
 懐古系シューゲイズというらしい。シューゲイザーというのはどんなジャンルだと一言でいうのは難しくて、彼らのは結構ポップ方向に振り切れているなあと思う。とはいってもいわゆる普通のポップとは違うということは聴けば解るはず。ポップというのはかなりダイレクトに心を締め付けたり感情を揺さぶりにくるタイプの音楽であることが多いけれども、このシューゲイザーなポップでは音楽と心の間に靄のようなものが… (レビュアー:大島栄二)
 

 
6位 TOKYO SKA PARADISE ORCHESTRA
『水琴窟 feat.上原ひろみ』
 スカパラの代表曲って一体なんだろうと思っても思っても思い浮かばない。でも曲を聴けばスカパラだとわかる。それはほとんどどの曲にも現れる主にドラムのスカビートがスカパラだと教えてくれるからだ。スカパラはホーンセクションがどうしても目立つのでホーンセクションバンドと思われているが、やはりそのバンド名の通りスカバンドそのものなのだろう。1990年に衝撃的なデビューをした頃はインストなのに… (レビュアー:大島栄二)
 

 
7位 Often Mofun
『CITY DANCER』
 最近は本当にポップなバンドが多いですなあ。特に女性ボーカルがキュートでサウンドがガチッとしてるのが本当に多い。ひとつひとつを取ってみるともう十分にクオリティがあって、生涯そのバンドのファンであり続けても何の問題もないと思ったりします。このOften Mofunもそう。重厚なブラスセクション(ホーンセクションというよりブラスセクションと呼びたい感じ)が脇を固めて、ベースのリズムが旋律を形作っている… (レビュアー:大島栄二)
 

 
8位 qimygo
『言葉のいらないうたばかり』
 このベースの音が好き。画面では右から左に歩いていくシーンが延々と繰り返され、その歩みとシンクロするようにボンボンボンボンと鳴っている。スキップでもないのであくまで四分音符の一定のペースで鳴り進むのだが、ドラムを中心として生み出される控えめに跳ねたリズムが、淡々と歩くのも楽しいよと思わせてくれるようだ。そこにホーンセクション、特にトランペットの押さえた感じの音が重なってくる… (レビュアー:大島栄二)
 

 
9位 LAMP IN TERREN
『キャラバン』
 力強い歌というものがある。それは声なのか歌い手の持つ人間力なのか、それともバンドサウンドなのか。その力強い歌というのは圧倒的なもので、その一線を超えられる歌と超えられない歌には決定的な差がある。そういう歌を歌えるバンドはアップテンポであろうとバラードであろうと、か細い声で歌おうとしても結局力強い歌になってしまうし、本人はもっとか細く弱々しく歌ってみたいと思うかもしれないが、力強い歌を… (レビュアー:大島栄二)
 

 
10位 ignophone
『夜を越えて』
 どうってことは特に無いバンドマンのライブ風景。いまやレコードショップの数よりも多いのではないかと思われる全国のライブハウスで夜毎繰り返されているひとコマに過ぎなくて、多くのバンドマンが自分を売り込もうと懸命に作るプロモーションビデオのクオリティとは一線を画し、特にどうということも無いことはその通りなのだが、でも、汗と何かの液が感じられて、なんか好き。歌もポップとロックの中間点に… (レビュアー:大島栄二)
 

 
次点 The Monkees
『You Bring The Summer』
 まさかThe Monkeesの新曲を紹介することができるとは! 作られたアイドルバンド、という評価と、誰もが知っている「Daydream Believer」(これは清志郎の影響が大きいかもしれない)、「Steppin’Stone」(これはピストルズのカヴァーのほうが有名かもしれない)などの名曲。この二面性のイメージは大きいが、やはりThe Monkessは偉大である。何しろ新作アルバムがすごい。ノエル・ギャラガーにWeezerの… (レビュアー:夜鍋太郎)
 

 
編集長コメント

1位 HOWL BE QUIET『A.I.』:切ないバラードが1位にランクイン。新曲はノリのいいポップナンバーなんですが、やはりこういうバラードを持つバンド、バラードの表現ができるバンドは強いなあと思います。ファンの方々がリツイートなどしてくれたみたいで、結構ダントツの1位でした。伸びて欲しいし、それ以前にもっと多くの人に知られてもいいバンドです。

2位 石野卓球『Rapt In Fantasy (Radio Edit)』:松浦さんオススメ、というか、避けては通れないもののひとつとも言えるのではないでしょうか。シンプルなループが延々と続くようで、そんなにシンプルじゃねーぞおまえらと言われてるような気がしないでもありません。

3位 Suchmos『MINT』:musiplとしては初めてのダブルレビューということで、僕と松浦さんが同時にレビューしてみました。ふたを開けてみれば2人ともカルチャーというキーワードで語っていて興味深かったです。使ってる言葉は明らかに違うのに、同じ音楽を捉えた結果が同じところに行き着いているというのはなんとも不思議な体験でもありました。

6位 TOKYO SKA PARADISE ORCHESTRA『水琴窟 feat.上原ひろみ』:これ、好きなんですよね。ミュージシャン同士のコラボレーション。ともすればそのお膳立てをしたスタッフたちの思惑で上原ひろみを大前面に押し出していったりする結果になりそうなのに、そんな思惑にとらわれることなくアーチスト同士のリスペクトが感じられて、聴いていてとても爽やかな気分になりました。ステキすぎます。

9位 LAMP IN TERREN『キャラバン』:レビューにも書きましたが、とても勢いのあるアガル曲。心の中のマイ五輪テーマ曲でした。五輪はもう終わっちゃいましたが、皆さん見ましたか? これからパラリンピックも始まりますので、ぜひこの曲を頭の中で鳴らしながら感染してみてはいかがでしょうか。

次点 The Monkees『You Bring The Summer』:夜鍋さんのレビューが次点に。確かにモンキーズの新曲をここでレビューするなんて普通は予想もできないことかもしれません。夜鍋さんの興奮気味なレビュー執筆風景が目に浮かぶようですw。

 大きな台風が暑気を持っていってくれたのか、9月に入って気温も落ち着き過ごしやすくなりました。涼しくなってくるととりあえずホッとします。また街を散歩したりするのを復活させようかなあという気分にもなります。しかし、台風の被害はほんとうに大きかったようですね。被害に遭われた方にはお悔やみ申し上げます。台風もこれで終わりということではないと思いますので、今後も引き続き注意しながら暮らしていきたいものです。日本中どこを直撃するかわかりませんのでね。

(大島栄二)