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【あららら】

 レビューさせてもらった『さよならせかい』のPVは体育館でほぼワンカットで撮影された珠玉の動画でした。それはOK Go!の一発撮りビデオを思い起こさせ、もちろん予算も違うだろうし、だから同列に比較してはいけないのだけれども、そんなに予算かけなくたって、アイディアと努力で頑張れば十分に面白いビデオは出来るんだなあと証明してくれたようで、見ていて嬉しくなったのでした。その後アルバムもリリースされ、そこからの PVが下にある『きみのうた』。前回同様にワンカットでの撮影にトライした様子ですが、今回の方が多少予算が増えたのかなと感じます(小道具大道具が多いしね)。そして、なんとなくこじんまりとまとまっちゃったかなという気もします。まあ曲の世界観もどちらかというと小さな世界を表現しているものなので、これはこれでステキなんですけどもね。


 

あららら『きみのうた』

 

   
         
 

【POLTA】

 POLTA、この薄幸感ただようルックスはなんなんでしょうか。ものすごく惹かれるし、気になって仕方がありません。HPのプロフィールを読んでみると、2008年に結成したとあるので新人というカテゴリーも似合わないある種のベテランですが、昨年レビューした時にもまだリリースが無いようで、amazonやタワレコへのリンクがされてないまま。そういうのね、レビューしててとってももったいないなと思って仕方が無いポイントです。このボーカルの尾苗愛さんは禁断の多数決というバンドに所属していて、その活動が忙しいのかなと思っていたけれども昨年脱退。多少の紆余曲折があって結局このPOLTAに戻ってきたということなのでしょうか。詳しい事情はわかりませんけれども、個人的にはこのPOLTAでの輝きが一番強かったと思っていたので、良かったと思います。7月には2008年結成以来ようやくの全国流通1stアルバムが出るとのことで、良かったと思います。もっともっと多くの人に知れ渡っていい存在だと思います。


 

POLTA『新世界』

 


   
         
 

【柴田聡子】

 ギターを抱えて歌を歌う女子というのはとても多くて、その中でどこかヘンな人がどうやら僕は好きなようです。思えば前の大予測記事「売れるだろうな、いやもう売れてる?」でも取り上げた大森靖子や吉澤嘉代子もそういうヘンな女性弾き語りシンガーでした。そういう人のヘンな感じは、そこに意図的に自主演出している感じが滲み出てくると、ダメなのです。もちろん作品を作るというのは意図があって当然なのであって、朝気がついた時にはその作品が完成していたなんてことはないのであって、だから意図はあっていいんだけれども、それを気づかせないで欲しいし、ああ、この人は天然なんだなと思わせて欲しい。それがなかなかに難しくて、なかなかこのジャンルのホンモノは出てこない。そういう視点で考えた時、この柴田聡子もなかなかのホンモノのヘンな人でした。きっと音楽好きの中ではそこそこ知名度もあるはずで、それが前述の2人とはまた違った活動状況にあるように思えて、その差はなんなんだろうと思います。魅力的なホンモノのヘンな人というのは、ただ単に行動がエキセントリックだというのではなくて、世の中の見方が、視点が、切り方が、イケてることが必須条件で、だからそういうのができる人というのは頭が良くなければならない。でも普通に頭が良い人というのは如才なく勉強をしていい就職をしようとするわけで、そうせずに歌なんて歌っているというのはやはりどこか頭がオカシイところがなければダメで、そういう、頭が良くて頭がオカシイという絶妙な要素を兼ね備えている人は、やはりあまりいないのです。そしてそういうヘンな人というのは周囲と上手く折り合いをつけて要領よくやるということが苦手なことが多いので、こういう人が頭おかしそうに不器用に生きている様を、できれば暖かく見守って、CDの1枚も買ってみるということで、ちょっとだけその希有な才能のような何かを応援していくのが、正しい観賞の仕方だと思ったりするのです。僭越ですが。


 

柴田聡子『芝の青さ』

 


   
         
 
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 【2015年度売れそうなアーチスト大予測】売れて欲しいなだって良いんだもの(女性Vo.編)、いかがでしたか。次回は男性Vo.編をやります。必ずやります。そんなに時間をかけずにやりますので、乞うご期待!


    
 
 

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