日食なつこ『ログマロープ』【自分の感性の真の誕生に幸あれ。大変でしょうけど】
雪の中で鍵盤を弾きまくり歌いまくる日食なつこ。こんなところに楽器持って来るのって物理的にも大変だし、雪をかぶったら壊れるんじゃないかという心理的にも大変だろうなあと普通に思います。でもそれで音楽が拡がっていって聴いてもらえればいいじゃ ...
ヒグチアイ『備忘録』【魂が気づいて掴んだ日々なのでしょう】
子どもが辛い習い事に時間を費やす日々が、本当に必要かと考えることがある。厳しい練習だったというクラシックピアノの十何年が、クラシックそのものじゃなくても、ヒグチアイの自己表現の骨になっている様子を見て「やはり、幼年期から何かに打ち込ま ...
andymori『CITY LIGHTS』【テンポが速くなっていくロックバンドでありながらもポップの良さを兼ね備えていた】
CITY LIGHTSと聞いてチャップリンを思いつく人は今どのくらいいるのだろうか。50を超える僕ですら1931年公開のその映画をリアルタイムには観ていない、当たり前だが。それでも少年の頃の名画座ではチャップリン映画は時折上映されてい ...
Brian Eno『Reflection』【すべきことは沢山あり、可能性も数多に】
おくればせながら明けまして、黄砂で眼鏡が早速曇りながら、その合間からフィットネス・クラブと進学塾の広告と建物が増えたな、と思いながら、どちらも「自己」投資の名目の下に過度な演出とともに、今の御時世に合う意味ではよく分かる。健康のためな ...
ねぇ、忘れないでね。『無題』【印象的なフレーズながらもたいした具体性を持たないサビの繰り返しが】
ハッとする。イレギュラーなタイミングで差し挟まれる「世界は」のフレーズ。これが繰り返されるうちにハッとする気持ちがどんどんと焦燥に変わっていく。曲の作り方の基礎の基礎として、Aメロ+Bメロ+サビみたいなものがあって、それが起承転結とい ...
Jamie T『Tescoland』【これぞポップやロックの本質! レビュアー夜鍋の「2016年心の歌」】
アルバムは2016年9月に発売されているが、PV公開が比較的新しいので、今回紹介させていただきたい。というか、みなさんにも是非とも聴いてもらいたい。個人的には、この曲が昨年、一番ぐっときたんじゃないか、と思う。「2016年心の歌」と評 ...
Sentimental boys『グッドバイ』【別れをどちらが切り出すか、ではなくて】
いつの時代も別れは表現の大きなテーマ。人の心が揺さぶられるからだろう。その名もズバリ「グッドバイ」というこの曲で、男の声のボーカルが別れの歌を歌う。画面には自転車を漕ぐ若い女性。「足早に荷物をまとめてこの街にもサヨナラを告げた」といい ...
hy4_4yh『ティッケー大作戦~YAVAY』【ちょっと理解不能な要素にビリビリくる感覚の、ヤヴァイという上位互換ワード】
冬のイルミネーション漫遊。夕方、屋内のヴィーナスフォートを出発、お台場ガンダム、カレッタ汐留、六本木ミッドタウン、水道橋ドームシティへプロジェクションマッピングや噴水ショーを数時間で一気見。他、丸の内はシャンパンゴールド一色で大人の雰 ...
宇多田ヒカル『忘却 featuring KOHH』【その入口を選ぶ僕ら自身の不自由な心なのかもしれない】
3日前に公開されたMVが公開翌日には数万回の再生回数。このレビュー公開時にはどのくらいになっているんだろう。その冒頭、いきなり男性の声でラップが始まる。誰だこの兄ちゃん? Kohhというラッパーは実は有名な人なんだけれども、ほとんどの ...
PELICAN FANCLUB『記憶について』【「想い出をひとくち譲ってよ」って、なんてすごい歌詞なんだろう】
亡くなった友人のお別れの会を開催して、そこで集まった友人たちがひとりひとり故人の想い出を語った。その言葉たちには当たり前のように自分が知らない友人の姿があり、そこにはすでにこの世にいないはずの友人がいた。自分が知らない友人の姿を知ると ...