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中川家『地下鉄御堂筋線ブルース』【こんな歌詞だけど、ブルースとしてしっかりと成立してる】

大阪の地下鉄、御堂筋線。その停車駅についてひとつひとつツッコミを入れるという歌。面白い。しかしツッコミを入れられている駅や街について何か知ってるのかというと実はほとんど知らない。西田辺にシャープの本社があったとか知らんし、動物園前の壁にどんな絵を描いてあるのかとか見たこと無いし、大黒町がどんな風に怪しいのかなんてまったく想像できん。それなのに面白いのはいったい何なのか。中川家の芸の力なのだろうか。多分そうだろうね。考えてみれば知らない街をぶらぶら歩く低予算番組が人気で、知らない街なのに芸能人が歩いてるだけでけっこう楽しい。テレビ番組だから実際の光景が映るし、魅力的なカフェとか出てくるから、そりゃあ楽しいし行ってみたいとか思ったりするんだけれど、中川家の歌を聴いても行ってみたいとはまったく思わない。大阪はそんなに闇だらけなのかと戦慄さえ覚える。いや言い過ぎた。大阪ネイティブの人たちはこの歌をどう感じるのだろうか。やっぱり中津行きは廃止すべきだと同意するのだろうか。谷町線の都島行きが廃止されたのは良かったと思うのだろうか。各地のローカル交通って乗りこなすの難しいし、地元民が疑問を感じるような路線や駅や乗り換えなんて、旅行者にとっては害悪でしかなかったりする。今や全世界から観光客が大挙して訪れる京都だが、メインの交通手段がバスで、これが住み始めて8年の僕にも乗りこなすのは難しい。同じ名前のバス停が4つあるなんてザラで、四条河原町や河原町三条のバス停なんていったい何個あるのやら。話が逸れましたね。元に戻そう、ったってどこに戻ればいいのかもよくわからないんだけれど。昔ながらのブルースのフレーズを延々と中川家兄が弾いていて、こんな歌詞なのにちゃんとブルース。昔ロバート・ジョンソンの曲とかめっちゃ聴いてた時期あるけれど、あの歌詞が実はミシシッピの街についてぶつくさ言ってる内容だったとしても英語だからよくわからないし、きっとグッドミュージックとして成立してただろうなあと思うと感慨深い。

(2019.2.2) (レビュアー:大島栄二)


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review, 大島栄二

Posted by musipl