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littleneem『URUSAINA』【隙間を埋めるための余計な楽器音なんて要らないんだよと高らかに宣言しているよう】

変拍子の曲には毎回ひっかかる。変拍子の側からすると別にオレらが変なんじゃないしと言うかもしれないが、「通常」の3拍子や4拍子に慣れきっている耳からすればやっぱりそれと違ったのを変拍子と言っちゃうし、そういうリズムの曲が流れてくれば「んん?」と身体が反応する。かくして彼らの戦略に毎回毎回まんまとひっかかって聴き流すことなく聴いちゃうのだが、それでもつまらない曲もたくさんあるわけで、つまらないなと感じたら最後まで聴き通すこともなければ、レビューしたりなんてしない。ギターレス3人組のこのバンド、ギターレスでもレコーディングの時にはサポートギターを入れたりしつつ音の厚みを出すとかなんとかで音の隙間を埋めようとするのが普通だけれど、このバンド、この曲では本当にギターの音なんて無くて。その他はベースとドラムなので要するにリズム隊。メロディに関係する音は歌と鍵盤で、それだけでズズンと曲を展開させていく。その潔さが心地良い。いや、サウンドが心地良い。歌詞の中でも「余計な言葉はいらない/覚悟はいいか、僕はできてる/さあ反撃開始です」と歌われている。もちろんそれはサウンドだけの話じゃないのだろうが、サウンドの中でも隙間を埋めるための余計な楽器音なんて要らないんだよと高らかに宣言しているようで、音と歌詞がリンクした感じがとっても好き。まあ多分こんな言葉で音楽を説明しようという試みそのものが彼らにとっては「うるさいな」なのかもしれないけれど。あなたももうとりあえず黙って、彼らのサウンドと不可思議なリズムに身を委ねてみないかい?

(2019.12.5) (レビュアー:大島栄二)


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review, 大島栄二

Posted by musipl